- Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000904117
作品紹介・あらすじ
信頼できる邦訳全集の決定版。正確・平明な訳文、周到な訳注・解説のほか、別巻としてプラトン事典ともいえる『総索引』を付す。本巻は、告発され死刑に到るソクラテス最後の数十日間を感動的に描いた4作品を収録。
感想・レビュー・書評
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エウテュプロン。
これ短編だけれども、よく引用される。
神に愛されるから敬虔なのか、敬虔だから愛されるのか、という箇所。
初期のプラトンでは、さまざまな徳について「~とは何か?」と問うことが多い。その1つとして《敬虔》が挙げられているが、
中期になると徳は四徳(正義・知恵・勇気・節制)にまとめあげられてきて、《敬虔》は、《正義》の中にまざりこんでしまう。
確かに、その萌芽はこの対話篇にも現れている。
エウテュプロンが敬虔とは何かを答えられないのをみて、
ソクラテスは助け舟を出す。
敬虔って正しいもののなかのものなんじゃない?と。 -
『エウテュプロン』に関しては『プラトン全集』にしか載ってないので、『エウテュプロン』についてのレビューを書かせていただきます。
エウテュプロンがソクラテスに「敬虔とは何か」というテーマについて対話をしていきます。
「敬虔」というと宗教を持っていない私たちにとっては分かりづらいテーマですね。
何かが生じたりするのは、それを生じさせる働きが表裏一体のようにくっついているが、敬虔について…神神に対する態度はまた不思議な話になってくる。
〈敬虔なもの〉というのは神神に嘉納されるものであるけれどもしかし神神にとって有益なものでも、神神に愛されるものか?
〈敬虔なもの〉というのは〈神神に愛されるもの〉であるということになるようだ。
20節で直ぐによめますがなかなか深い対話です。
最後にまた「われわれは最初からもう一度、敬虔とは何であるかを考察しなければならない」とくくっているあたりがアポリアですね。