プラトン全集 1

  • 岩波書店
3.58
  • (3)
  • (1)
  • (8)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 62
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000904117

作品紹介・あらすじ

信頼できる邦訳全集の決定版。正確・平明な訳文、周到な訳注・解説のほか、別巻としてプラトン事典ともいえる『総索引』を付す。本巻は、告発され死刑に到るソクラテス最後の数十日間を感動的に描いた4作品を収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • .

  • エウテュプロン。
    これ短編だけれども、よく引用される。
    神に愛されるから敬虔なのか、敬虔だから愛されるのか、という箇所。

    初期のプラトンでは、さまざまな徳について「~とは何か?」と問うことが多い。その1つとして《敬虔》が挙げられているが、
    中期になると徳は四徳(正義・知恵・勇気・節制)にまとめあげられてきて、《敬虔》は、《正義》の中にまざりこんでしまう。

    確かに、その萌芽はこの対話篇にも現れている。
    エウテュプロンが敬虔とは何かを答えられないのをみて、
    ソクラテスは助け舟を出す。
    敬虔って正しいもののなかのものなんじゃない?と。

  • 『エウテュプロン』に関しては『プラトン全集』にしか載ってないので、『エウテュプロン』についてのレビューを書かせていただきます。
    エウテュプロンがソクラテスに「敬虔とは何か」というテーマについて対話をしていきます。
    「敬虔」というと宗教を持っていない私たちにとっては分かりづらいテーマですね。
    何かが生じたりするのは、それを生じさせる働きが表裏一体のようにくっついているが、敬虔について…神神に対する態度はまた不思議な話になってくる。
    〈敬虔なもの〉というのは神神に嘉納されるものであるけれどもしかし神神にとって有益なものでも、神神に愛されるものか?
    〈敬虔なもの〉というのは〈神神に愛されるもの〉であるということになるようだ。
    20節で直ぐによめますがなかなか深い対話です。
    最後にまた「われわれは最初からもう一度、敬虔とは何であるかを考察しなければならない」とくくっているあたりがアポリアですね。

全4件中 1 - 4件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×