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- Amazon.co.jp ・本 (613ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000926478
感想・レビュー・書評
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網野善彦氏が1950年代後半から80年代前半までに発表した海民、鵜飼、鋳物師などの中世の「非農業民」に焦点を当てた論文の集成。
農業に携わった人々を中心に考えられがちな日本史研究の中において、「非農業民」に着目し、中世を中心に、その存在形態、変遷、天皇との関係(天皇の山野河海に対する支配権を背景とした非農業民に対する自由通行、交易等の特権付与)等について明らかにした著者の功績は大きい。本書は一般向けの本ではなく、論文集ということもあり、読み進めるのが結構たいへんで、その史料解釈等の妥当性についても十分に評価できる立場にないが、先行研究を踏まえつつ、他の研究者の説との違いも意識して、多くの史料から緻密に論証しようとしている姿勢はすごく伝わってきた。
また、記述のはしばしから、戦後史学史が垣間見えるのも興味深かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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