網野善彦著作集 第7巻

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (613ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000926478

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  • 網野善彦氏が1950年代後半から80年代前半までに発表した海民、鵜飼、鋳物師などの中世の「非農業民」に焦点を当てた論文の集成。
    農業に携わった人々を中心に考えられがちな日本史研究の中において、「非農業民」に着目し、中世を中心に、その存在形態、変遷、天皇との関係(天皇の山野河海に対する支配権を背景とした非農業民に対する自由通行、交易等の特権付与)等について明らかにした著者の功績は大きい。本書は一般向けの本ではなく、論文集ということもあり、読み進めるのが結構たいへんで、その史料解釈等の妥当性についても十分に評価できる立場にないが、先行研究を踏まえつつ、他の研究者の説との違いも意識して、多くの史料から緻密に論証しようとしている姿勢はすごく伝わってきた。
    また、記述のはしばしから、戦後史学史が垣間見えるのも興味深かった。

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著者プロフィール

1928年、山梨県生まれ。1950年、東京大学文学部史学科卒業。日本常民文化研究所研究員、東京都立北園高校教諭、名古屋大学助教授、神奈川大学短期大学部教授を経て、神奈川大学経済学部特任教授。専攻、日本中世史、日本海民史。2004年、死去。主な著書:『中世荘園の様相』(塙書房、1966)、『蒙古襲来』(小学館、1974)、『無縁・公界・楽』(平凡社、1978)、『中世東寺と東寺領荘園』(東京大学出版会、1978)、『日本中世の民衆像』(岩波新書、1980)、『東と西の語る日本の歴史』(そしえて、1982)、『日本中世の非農業民と天皇』(岩波書店、1984)、『中世再考』(日本エディタースクール出版部、1986)、『異形の王権』(平凡社、1986)、『日本論の視座』(小学館、1990)、『日本中世土地制度史の研究』(塙書房、1991)、『日本社会再考』(小学館、1994)、『中世の非人と遊女』(明石書店、1994)。

「2013年 『悪党と海賊 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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