ギリシア喜劇全集 (3)

制作 : 久保田 忠利 
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (419ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000927031

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  • セックス禁止で世界平和「リューシストラテー(女の平和)」エウリピデスが処罰の危機に。縁者を女装させ男子禁制の祭りに忍び込ませるが「テスモポリア祭を営む女たち(女だけの祭)」冥界で劇作家がお互いの作風を揶揄し合う「蛙」の三作収録。

    序盤の「リューシストラテー」から『太い。誓ってもいい。』
    『透けた下着、了解。』など、堅い印象のフォントで見ると妙な可笑しみを誘う。
    「テスモポリア祭を営む女たち」は同性愛者、異性愛者の女装、フェミニスト、
    発声の辿々しい外国人などからかいの対象とするものが
    中学二年の男子学生風でかなりの衝撃。
    突き詰めると筒井康隆だけれどあくまで喜劇の範疇内に収まっている。明らかに上演が厳しいと思いつつ見たい気持ちも…
    「蛙」はアイスキュロス・エウリピデス両名の作風あるあるで微笑ましい。数々の作品散逸が非常に悔やまれる。

    月報では写真入りで本国での上演の様子や書かれた当時と、
    現代日本の裁判員制度が解説されている。
    また登場人物説明入り作品、ギリシア地図、当時の用語解説などギリシア悲劇全集に比べ刊行されたのが新しいせいかとても詳しい案内となっている。
    恐らく無いだろうとは思いつつ、旧訳のままになっている文庫をこちらの新訳で出し直してほしい。無理に日本の単語に直していないのに自然に笑える翻訳。

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