クモのアナンシ――ジャマイカのむかしばなし

  • 岩波書店
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001160284

作品紹介・あらすじ

アナンシは、ずるがしこいけど憎めない。ときどき人間、ときどきクモになって、自分よりはるかに強い動物を手玉にとったり、だましたり。カリブの島々で長く親しまれているアナンシのお話を、ジャマイカの語りの名手が再話し、マーシャ・ブラウンがのびのびとイラストを描いた昔話集。ドキドキハラハラと笑いがとまりません!

感想・レビュー・書評

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  • こども世界の民話下(実業之日本社)に載っている「アナンシと五」は読み聞かせの鉄板だけど、こんなアナンシの本あることを知らなかった!(東京子ども図書館のおはなしのろうそくにもアナンシあり)
    この本にはアナンシと五はなかったけど、どのお話もアナンシの自分勝手で倫理観ない行動が面白かった。日本でメジャーな昔話は勧善懲悪で、その感覚で読むと予想を完全に裏切られる。結果が読めなくて楽しい。

    アナンシって...?
    アナンシとトラ
    アナンシと風
    アナンシと魔女
    アナンシとカメとハト
    アナンシとネコのキサンダー
    アナンシとムクドリモドキ
    アナンシとバナナ
    アナンシとリクガメ
    アナンシと三人の王女
    アナンシと魚の国
    アナンシとヤムイモ
    アナンシとカニ
    アナンシとワニのたまご
    アナンシのクモの巣
    アナンシのお話について
    訳者あとがき

  • ずる賢いアナンシ。カリブの島々では夕餉の後に家族が子どもたちに語るメジャーな話なそうな。ちょっとピンチもあってハラハラするところが憎めないな〜アナンシ。

  • アメリカで約70年前に発表されたジャマイカの昔話。カリブ海周辺の民話の中で特に重要なのが、クモのアナンシだそうです。アナンシは、人間でもありクモでもあり、ものごとが上手くいっている時には、人間で、危険になるとクモになって、天井に逃げていくのだそうです。

    そんなアナンシの話が14話収めらています。動物たちを手玉にとって、利を得るずる賢くて抜け目ないアナシンの話もあるし、間抜けでトンマなアナンシや上手くやったつもりが結局はやり込められてしまうアナシンの話もあります。
    最終話は、アナンシがお尻から糸を出すようになったかの謂れ話です。

    「アナンシとバナナ」は、バナナをせしめたアナンシが家に持ち帰り家族と分け合うのだが、父親であるアナンシが一番多く食べてしまう。道徳の教科書だったらあり得ない話。

    アナンシは賢く時に痛快で、一方で落語の与太郎のように間抜けでおバカで、愛すべきキャラクターです。聞き手(読み手)笑ったり感心したり同情したりしながら楽しめます。

  • アナンシが知恵を使って痛快な話もあれば、逆にずる賢く立ち回って成敗されるのが可笑しい話もあり、完全な悪でも善でもないのが何とも人間らしい。「どきどきダニー」を思い出した。
    マーシャ・ブラウンの挿絵もふんだんに載っていて、贅沢な一冊だな〜と思う。クモ寄りの人間の姿とか本当によくチャーミングに描けるな〜。

  • 楽しい。
    「アナンシと五」より、ぬけてて、お馬鹿で(笑)
    まあ、アナンシと五もお馬鹿で死んでしまうのだけれど、
    読んでて笑ってしまう。
    「北風に会いに行った少年」や「きつねとたにしのはねやっこ」など、他の昔話を思い起こさせるものもあるが、なんとも、結末がアナンシらしく、いいなあ。

  • アナンシのお話が大好きなので、
    新着図書コーナーで見つけて、軽く興奮した。
    「子どもに語る世界の民話」
    「おはなしのろうそく 」に載っているアナンシの話しか知らなかったので、
    これは嬉しい。
    悪いやつで、醜くて、ひどいやつだけど、世界の子供たちみんなに愛されているアナンシ!
    楽しい。
    「アナンシと魔女」七面鳥の禿頭を馬鹿にしてはいけない理由がわかる。
    「アナンシとワニのたまご」え!アナンシ空も飛べる!驚いた。

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