マルクス 資本論 全9冊 (岩波文庫)

著者 :
制作 : エンゲルス 
  • 岩波書店
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (3768ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002010199

作品紹介・あらすじ

マルクスが自ら生涯の事業と呼んだ『資本論』。レーニンが「現世紀最大の政治経済学上の著作」と呼んだように、近代資本主義社会の経済的運動法則を徹底的に究明して、経済学を“革命”し、また人間社会に対する見解に完全な変革をもたらして、社会主義を科学的軌道に乗せた不朽の名著。ディーツ版による改訳。(全9冊)

感想・レビュー・書評

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  • 資本論 1 (1)
    (和書)2008年12月28日 21:24
    1969 岩波書店 マルクス, エンゲルス, 向坂 逸郎


    取りあえず読んでみました。

    今の世界経済の恐慌を批判するにはマルクスの資本論でも読むのが良いかなって思いました。

    よく言われる百年に一度の恐慌という言葉が僕にとっては胡散臭くて仕方がないのです。

    続きを読んでいこうと思います。

    資本論 2 (2)
    (和書)2008年12月31日 19:20
    1969 岩波書店 マルクス, エンゲルス, 向坂 逸郎


    『不変資本と可変資本』と『「剰余価値率」の計算式』が難解でよく分からなかった。本当にそこが難解なのかもよく分からない。だれか教えてくれる人かヒントを与えてくれる人がいたら助かるな。他はスリリングに読むことができました。柄谷行人が事前の立場から見ることをカントとヘーゲルの比較で書いていてマルクスもカントと同じように事前の立場から見ていると言っていた。だから今回、資本論を読むのは2回目だけど事前の立場というところを念頭に置きながら読んでいこうと思っています。

    『「未来の他者」が異議を唱え反証してくるかもしれないことを予期するかぎりで、普遍的命題(真理)が存在するのだ。』 と柄谷行人は書いている。ここをポイントにして読んでいこうと考えています。

    資本論 3 (3)
    (和書)2009年01月04日 20:53
    1969 岩波書店 マルクス, エンゲルス, 向坂 逸郎


    なかなか興味深く読むことができました。最後の方で資本の性質に関する急所が指摘してあったので抜粋してみます。でもやはり難解です。今回で読むのは二回目ですすが何処が難解かがようやく解ってきた感じで3回目を読む前に(いつになるか分かりませんが)何冊か参考書を読むべきだなって思っています。参考書は何が良いかお勧めがあったら教えてください。

    『「サント・ドミンコにおける最初のスペイン人移住者は、スペインからは、一人の労働者も受取らなかった。しかし労働者なくしては」(すなわち奴隷制度なくしては)「資本は破滅するか、または各個人が自分の手で使用する程度の大きさに、縮小したであろう。これはイギリス人によって建設された最後の植民地では実際に起きたことであって、そこでは種子、家畜、用具から成る一大資本が、賃金労働者の欠乏のために滅んでしまい、移住者はいずれも、自分の手で使用しうる以上には、あまり多くの資本を所有していないのである。」』

    奴隷を絶えず必要としてしまう世界構造というのを批判しなくちゃいけないよね。そこを徹底的に批判した一人がマルクスだろうと思う。無意識・意識に封じられていても資本はそれを創り取り込んでいく、生贄の論理・支配者の論理というものを徹底的に批判するには経済学批判は欠かせないのだろうと思う。そこを徹底したマルクスは必読だろうと思う。ただ僕の場合何回か読まないと駄目だなって思った。根気をもって読む価値はある本だね。

    資本論 4 (4)
    (和書)2009年01月09日 20:09
    1969 岩波書店 マルクス, エンゲルス, 向坂 逸郎


    エンゲルスの序文があり、マルクスの遺稿を纏めるのがとても困難だったとある。難解なので何処かの意味が逆転していてそれが正しいのか間違っているのか判断できない。商業的数学が分からないので計算式の真偽は確かめられない。

    資本家階級と労働者階級、「現にある階級闘争の代わりに新聞記者的決まり文句、社会問題」という感じでそれを批判するためには資本を批判(吟味)しなければできなければいけないと言うことは理解できます。これを読んでみて資本の批判ということの重要性は理解できるけどなかなか労働者階級の救済ということが分からなかった。資本の批判と人間の救済が何処で結びつくのかが私は理解できていないのを実感しました。

    家畜と奴隷制度を比較・批判するとき動物と人間の違いが私には理解できなかった。マルクスが宗教の批判で「人間にとって人間が最高の存在であるという教えでもって終わる」と言っているのは分かります。イエスが人類の救済を考えるのも同じようなことなのかもしれません。

    人間が人間を手段としてのみ利用するという資本家階級と労働者階級の奴隷制度の亜種を批判することは宗教の批判からみればとても普遍的なテーマだろうと思いました。

    ただ何故それが人間と人間なのだろうか?それを言い出したら動物だって植物だってことになるだろう。柄谷行人が「未来の他者が異議を唱えて反証することを予期するかぎりにおいて普遍的命題(真理)が存在するのだ。」と長池講義で書いている。そう考えれば未来の他者が人間に限ったことではないと言うことは分かるかもしれない。

    人類の救済・全世界の救済を考える時マルクスの繰り出す批判はとても有効だろうと思います。避けてしまえば神秘化による隠蔽などに誤魔化されてしまうのだろうと思いました。

    取りあえず続き読んでいこうと思いました。とても難解で理解できないことが多いです。とても精読には及びません。通読が精一杯です。

    資本論 5 (5)
    (和書)2009年01月12日 19:31
    岩波書店 マルクス, エンゲルス, 向坂 逸郎


    (資本家の論理)=(経済学)の真理を探究しようという姿勢は面白いと思うけど難解で通読が精一杯でした。何か参考書があればいいなって思った。次に読む時はもっと勉強してから再読します。

    隠蔽することと真理を見いだすこと。資本論は資本の神秘から真理を暴き出すことにより労働者と資本家双方を啓蒙することに繋がるのだろう。

    階級闘争を隠蔽する論理は結局、すべてを貶める結果にしかならないのだろうと思う。それを批判する時に資本論は輝きを増すのだろうと思った。

    資本論 6 (6)
    (和書)2009年01月18日 14:02
    岩波書店 マルクス, エンゲルス, 向坂 逸郎


    難解な本でした。商業的数学の計算式など示されても理解できません。でもなかなかスリリングに読むことができました。

    前提となるものを批判してるのだと思いました。前提に亀裂が走ると階級闘争が露呈されるという感じです。でも前提が駄目だと言っているわけでもない。それを批判(吟味)している。僕は最近、批判と救済ということを考えることが多いのですが、人間の批判と人間の救済ということが世界文学なのだろうなって思う時があります。前提を批判(吟味)するいうことが前提を救済するということに繋がる革命的部分を書いていてそこが世界文学としてのマルクスの凄さだなって思った。

    続きを読んでいきます。

    資本論 7 (7)
    (和書)2009年01月22日 16:40
    岩波書店 マルクス, エンゲルス, 向坂 逸郎


    とても難解な本です。ここまで読むと通読するだけならかなり慣れてきました。もう一度、今度はもう少し参考書など読んで読み直したいと思います。

    この本が長いと言う人が多いのですがその意見には疑問を感じます。だって人間の批判=経済の批判をすることによってその真理の探究(世界文学・思想)をしようとするならこれぐらいで終わっているのが短いと思うほどです。マルクスが死んじゃって未完になっているものをエンゲルスが編集したものだしね。マルクス・エンゲルス全集とか本気で読んでみても良いと感じる。

    この巻は労働者と奴隷の理論的根拠の批判(吟味)に直接触れている部分があり、そのことをタブーとしてしまうシステムをみることを必要とすることが理解できる。

    資本論 8 (8)
    (和書)2009年01月24日 19:22
    岩波書店 マルクス, エンゲルス, 向坂 逸郎


    地代についての前提又は理論的根拠について探求してある。やっぱり難解だな~。でもこういうものを批判(吟味)できると言うこと自体又は啓蒙できるということがとても可能性を感じます。ただ単にもう決まったこと・・終わったことというように柄谷行人的に言うと事後(事後の立場)に立つのではなく事前(事前の立場)に立つと言うことに可能性が絶えずありえるように感じます。

    資本論 9 (9) (岩波文庫 白 125-9)
    (和書)2009年01月25日 19:52
    マルクス 岩波書店 1970年3月


    難解でした。ただ読んでみて良かったと感じています。奴隷制・農奴制・労働者階級・・・・経済的神秘化などこれらを批判(吟味)する取っ掛かりを与えている、可能性を与えている良書でした。なかなかこういったことを書ける人はいないだろうな。この姿勢は世界文学としてとても重要なものだと思いました。それは文学に留まらない可能性をもったものでマルクスが他で書いている「宗教の批判」を地でいっているような感じです。

  • 岩波文庫版で全9巻読了(1年3ヶ月を要す)。

    マジにレビューするとボリュームがすごくなるので、簡単に。 以下、読後の印象・感想などを断片的にメモ。

    ・貨幣の歴史、産業革命期の労働者の暮らしぶり、植民地政策、商業都市国家についての各章はわりとスラスラと読むことが出来た。
     だがしかし、“数式”が頻出してくると途端に難しくなる。剰余価値の章はまだ理解させてくれたが、差額地代と絶対地代、に至っては私には難しかった。
    一般的利潤率のあたりはとりわけ難解であった。

    ・全巻を通じてヘーゲルが引用されている箇所が多かった。

    ・マルサス、リカード、アダムスミスを引用、その業績の一部を評価している。(近代経済学諸説と別の系統…という先入観が私にはあった)。
     ただ上記諸学説が明確にしていなかった利潤の発生の源泉を「剰余価値」という新概念で導き出しているのが「資本論」の新しさ。

    ・マルクスは、剰余価値の発生を、資本家と労働者と土地所有者という3大階級という構図の中から導き出した。(マルクスによれば、それまでのブルジョア経済学は、ブルジョアの立場から全てを分析するのみであった。)

    ・全巻を通じて、上記3階級の呼称が頻出するのだが、「階級闘争」という言葉が登場する箇所はごくわずかである(「第2版への後書」/第1巻)。他の箇所では「労働者階級の反抗も増大する」とか「…より高い一形態に席を譲る」という表現である。
     矛盾を内包した資本主義的生産様式は次のものにとって代わられるであろう、という分析のトーンで穏やかに語られているのである。
    「不払労働」を労働者自身の手に取り戻すこと。そして、次の段階の到来に際しては、労働者階級が主体的な存在となるであろうことが示唆されてはいる。
     だが、「共産党宣言」に見られるような声高な表現・筆致はほとんど見られないのが私には意外であった。

    ・資本主義的生産様式の構造的矛盾を明らかにすることで、この様式にマイナスの評価を下し、それによって労働者階級の自覚を促す。というのが資本論全巻の鳥瞰図なのであった。

    ・資本の集積に関する分析においては、剰余価値の蓄積の効率化、高収益化の仕組みが明らかにされている。この部分では、資本主義的生産様式における利潤達成の「機能性」をマルクスは逆説的に「評価」している、と思わせられた。
     
    ・そして、全巻を通じて、資本主義的生産様式の次なる形態について明確に論じた箇所は少ない。
     次なる生産様式に関しては、以下のような記述がある。

    「資本主義時代の成果を基礎とする、すなわち協同と土地および労働力そのものによって生産された生産手段の共有とを基礎とする、個別的所有」(第3巻24章)

    つまり、本書は資本蓄積の仕組みを分析しているのだが、社会主義経済のあり方を論じた書ではない。

    後世の社会主義経済、及び社会主義市場経済に関連して、メモしておきたい点としては、下記の諸点。

    ・剰余価値は市場と流通の中からは生じないと述べている。
    ・また、市場については、市場価格が、一般的利潤率に調節的に作用すると分析するにとどまり、市場の是非については踏み込んでいない。

    以上、内容を完全に理解しきれなかったとは思うけれど、何が書かれていて何が書かれていないか、については知ることが出来た。 …ように思う。

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