アクセシブルデザインの発想――不便さから生まれる「便利製品」 (岩波ブックレット)
- 岩波書店 (2015年11月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
- / ISBN・EAN: 9784002709390
作品紹介・あらすじ
シャンプー容器側面のギザギザ、ONスイッチを示す凸点、周波数の低い報知音、車椅子で乗降できるノンステップバス、片手で開閉できる傘…。これらは、アクセシブルデザインと呼ばれ、障害の有無にかかわらずより多くの人々が日常を暮らしやすくするための工夫が盛り込まれている。ちょっとした工夫で、より多くの人にとって日常が暮らしやすくなる。開発・普及活動の中心にいて国際規格化にも関わってきた著者が、アクセシブルデザインの可能性を語る。
感想・レビュー・書評
-
革命ではなくデザインで、少しずつ世界を良くしていく息の長い営み。
ほとんどは気づいていないだけなので、気がつきさえすれば、改善できる。根源的な対立があるわけではないからだ。
2015年刊行なので、少し時間が経っている。
世界は少しはマシになっているだろうか。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ふむ
-
ステークホルダーの存在をもらさずつかみ、協働を徹底することが大切ということがわかりやすい
-
アクセシブルデザインにおいて日本が最も先進的な国だとは知らなかった。
財団法人共用品推進機構へと育っていくその渦中にいた筆者,毎日がどれだけ楽しく充実してたろうなと思う。それに各企業団体のやる気がすごい。
柏餅,かつては味噌餡と粒餡の区別が葉の表裏使用で決まっていたとは知らなんだ。
歩道と横断歩道の段差は2cmと決められている。
「アクセシブルミーティング」とは。
1.会議の案内を受け取り
2.会場にたどり着くことができ
3.会議で使用される読んだり見たりでき
4.会議での発言者の話が理解でき
5.自分の意思を伝えることができる
という“当たり前の会議”のこと。
しかし,実際行われている会議は,じっさい障碍のある人にとって上記のどれか,またはすべてが満たされていないことが多い。これは確かにそうかもしれない。これを解消しようと努力するのがアクセシブルミーティングだ。
そしてJISからISOへ。代名詞を使わないか,ううむ。
そう,いくら規格を制定しても,当の使う側にアナウンスされなければ全く意味をなさない。そこを広げていくこともとても重要。
そう,アクセシブルデザインは,なにも障碍者向けだけに限ったものにあらず。
電動歯ブラシは元々肢体不自由者のために開発されたもの。
今まではマイナスをゼロにすることであったが,これからはゼロをプラスにすることだ。
不便さを解消するには,不便を感じているその人達の参画が必要だ。 -
最近、講演会に手話通訳?ほんとにいるの?とか思ったことがあったのだが、やっぱりそれが標準装備じゃないのはおかしいのかも、と思いました。