- Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
- / ISBN・EAN: 9784002709574
作品紹介・あらすじ
学問が、純粋な好奇心や社会問題の解決、人々の幸福のためでなく、国家の進める軍事戦略や兵器開発に従属させられるような社会を、再び到来させてはいけない。そのような社会は民主主義にとっての危機であるとともに、学問の危機でもある。科学研究のパラダイム設定自体に軍事が深くかかわり、学問世界は浸蝕され、研究者の頽廃が進む。
感想・レビュー・書評
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読むと面白い本ではある。主張には到底賛同できないが、筆者のロジックの背景を考えてみたり、また、筆者の批判する防衛装備開発側の意見を踏まえて読むと、一つ作文ができるのではないかというくらいには思考の種がちりばめられている。ただ、学者として、学問をすることは国民の総意であるという主張は国防が国民の総意であると言うのと同程度には傲慢でおごった見方だというべきかもしれない。
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もっと早く読むべきだったと思うくらい衝撃を受けた作品。社会の荒波に真っ向から対立しにいってる強めの作品で、とてもすき
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最初から「軍事研究は悪い」と決めつけていて、“なぜ”の議論がない。
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第1章は軍事研究に加担する科学者の言い訳にはじまります。①デュアルユースである②戦争は発明の母だー軍需品でも民生利用されて人々の役に立つ③軍事研究は科学・技術を発達させる④自衛のための軍事研究は許容される⑤研究費の支給はありがたい。これに対する反論から始まり、「科学者は、やはり「何のための、誰のための科学」であるかを常に思い浮かべる必要があると思う。」で終わります。第8章では、いつくかの大学における学長見解や大学平和憲章、行動指針などが紹介されていました。こういった個々の大学のスタンスを早期に明確に学内外に示すことも、教職員の迷いが払拭され良い効果をもたらすかと思いました。