真夏の甲子園はいらない 問題だらけの高校野球 (岩波ブックレット 1077)

制作 : 玉木 正之  小林 信也 
  • 岩波書店
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002710778

作品紹介・あらすじ

真夏の風物詩、国民的行事として親しまれる夏の甲子園大会。だが、甲子園に出ることだけが野球の全てだろうか? 野球をする喜びを球児から奪ってしまう高校野球の現状と、その打開策について、野球をこよなく愛する二人が敢えて直言する。高校生による、高校生のための野球を実現するために、私たちにできることとは?

感想・レビュー・書評

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  • 最近の高校野球は、私立高校ばかりが甲子園に出場し、公立高校は、ほとんど出場することができなくなった。確かにこの本に書かれているとおり、猛暑の中で試合することに問題があるし、トーナメントで負けたら終わりという高校野球の現状にメスを入れる必要がある時期であると思う。また、主催が大手新聞社であることから、改革するのは難しいと思われるが、今の神聖化された甲子園での高校野球に対する貴重な提言本である。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50320989

  • まあ昨今の甲子園に関する話題の沸騰ぶりをみると、なんだかんだいってみんな甲子園(ネタ)が好きなのね、と思ってしまいます。
    (くしくも今日は慶應が優勝したそうで)

    この本自体は、真夏の甲子園に対する批判ではありますが、どちらかというと、それに関わるマスメディア(朝日新聞社、毎日新聞社、NHK)に対する批判であるかなと思いました。
    私は受信料を払ってNHKを観ていますが、正直、大相撲と高校野球をNHKでやる必要があるのかと思っています。そもそも、スポーツをNHKでやる必要があるのかなと。
    NHKオリジナルのコンテンツを楽しみにしている自分としては、それらで通常編成時の番組がないのが結構ストレスです。
    (まあとりあえず、今日の7時のニュースのトップニュースが甲子園ではなかったので、まだニュースの矜持はあったかと思いますが)

    自分はこの本に書かれている意見にほぼ賛同しているのですが、私自身は最近甲子園野球のことは関心がなくなりました。なので、やりたきゃやりゃいいし、やめたきゃやめりゃいいというのが本音です。
    逆に多様性というのであれば、昭和ばりの高校野球を残す場として、甲子園野球を存続するのもありなのかなと。高校の野球部はどこも、入部前に、スパルタ式、坊主でやります(あと、男尊女卑で、マネージャーは女子限定、身の回りのことは全部マネージャーがやるとかも昭和方式)とちゃんと公表して、それを受け入れる生徒だけ入部して、ひたすら甲子園を目指す。
    そして、高校を卒業と共に、野球を辞めることも入部条件にするとか。
    プロに行きたい生徒は野球部には入らず、プロ球団のスクールに中学から通って、科学的指導を受けられるように、別コースにしたり。
    ただし、体罰等はまずいでしょうね。あと、辞めたいときに、誰に妨げられることなく部活を辞められること。これは保証されていないといけません。

    理不尽に辛い思いをする生徒、教員がいなくなることを切に願うばかりです。

  • 【請求記号:783 タ】

  • 私は中学までは野球少年だったが、高校ではアルペンスキー部、その後もトライアスロンや自転車ロードレースなど日本ではあまり馴染みのない競技しか好きになれなかった。それ故に甲子園や箱根駅伝だけに異様なまでに熱狂する日本人が奇異に思え、日本の未来のためにもこれらの宿痾は改めるべきだと思っていたので、本著の提言にはほぼ賛同する(夏休み中の開催と、トーナメント制は現状でも良いと個人的には思う)。

    私が甲子園が日本の青少年にとって一番弊害だと思うのは、本来は野球以外の競技の方が適していたにも関わらず、日本では野球が一番ポピュラーであることから、或いは身近な人から野球を勧められて何となく野球を始め、身体的才能があるせいで野球でも頭角を現し、十代の一番大事な時を野球漬けで過ごし、結局は肘を痛めてその後のアスリート人生を台無しにすることである。

    もしかしたら彼には野球ではない他の競技でオリンピックで金メダルを獲れる才能があったかもしれない。しかしスポーツ万能の彼に対し、周囲の人々は野球かサッカーなど日本でポピュラーな種目しか勧めない。その辺のところを、スポーツは見るものだとしか思っていない人々は自戒すべきである。

    とにかく、高校球児や大学生ランナーはエアコンがガンガン効いたリビングで寝転ぶ人々の見世物ではない。何より20歳そこそこで燃え尽きてはいけない。スポーツ科学が確立している今となっては、特に持久系のスポーツなら40歳でも続けられる(種目によってはその辺をピークにすることさえ可能である)。

    改革が必要だ!

    以下に印象に残った記述をランダムに
    ※本文そのままの引用ではなく、勝手に自分の言葉で言い換えているので悪しからず…

    野茂英雄がアメリカに渡った1995年当時、MLBとNPBの市場規模は1500億円位で同等だった(13頁)

    朝日新聞社は1911年に「野球害毒論」と称して野球をバッシングしていたが、1915年に掌を返すごとく夏の甲子園を主催した経緯がある。この時点から矛盾だらけだったし、批判精神や制度改革は一切しなくなったんだろうなぁ


    日本のスポーツには「スポーツそのものが目的ではない」という考え方が色濃く残った(加納治五郎が「人格形成の手段」と捉えたことが大きな要因らしい)。
    Jリーグは日本で初めて「スポーツ以外の別の目的を持たない」団体である。

    多くのマスメディアがスポーツをスポーツ以外の目的(自社やスポンサーの宣伝、感動をありがとう効果)のために利用している。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/563919

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