- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003108239
感想・レビュー・書評
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太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。三好達治たつじ『雪』
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詩と詩人を愛する人が懇意に平易に解きほぐしてくれる教本のようだ
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とにかく、ほめ上手。三好達治が好きなものが選ばれているのでしょうから、当然ではありますが、いい本です。このあたりがこの詩人のいい部分ですよとうまくガイドしてくれるので、ここに挙げられた詩以外のものも読みたくなります。名著だけありますね。
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読み終わった。明治の詩人~大正、昭和と口語自由詩が花開いていく様子を解説してくれている。著者自身が「前書き」で述べているように、いわゆる教科書的な解説ではなく、著者自身が詩を楽しんできた経歴をのびのびと綴った文章。
著者の好き嫌いや個人的な感想が散りばめられているから、それを小耳にはさみつつも、自分の心の内側で「いや、これは自分にはこのことだと思ったぞ」とささやくことのできる余地が残されている。それがよい。
ただその分、著者の主観的な感想が多く、時代的な背景などの説明が少ないのでイメージしにくいところもあった。最後の解説も合わせて読みたいところ。
書かれてからさらに50年以上が経過しているので、しっかり理解しようと思ったら、さらにある程度勉強する必要があるようにも思われる。また、それぞれの詩人のキャラクターが立つ間もなくパッパッと進んでいくので、予備知識がないと、少し戸惑う。
(名前くらいは知っている前提で書かれている気がする。今の時代の谷川俊太郎くらい。あと、それも時代だと思うが、女性いないのかよ!とちょっと思った。)
いいなと思う人を何人か見つけられたのはよかった。またそれぞれの詩人の詩集を読んでみるつもり。ただ、まったく響かなかった人もいた(著者が絶賛していても)。詩の歴史というのは、思想や歴史時代を物語っているんだなあと思った。
詩というのは、こういうふうに楽しめばいいんだよ、こんな感じでいいんだよ、という著者の自由気ままな様子から、自分の中にある詩人の目に気付くことのできる本だった。
~良かった詩人メモ~
・伊良子清白
・山村暮鳥
・中川一政
・堀口大学(かなり好き)
・伊藤静雄
あとはちらちらとよかった詩もあったけれど、夕暮れ時は…に持ってかれた感があった。少し、近い時代の作品の機微を見分ける嗅覚が自分には足りていないのかもしれない。でも好きな傾向や詩の傾向をなんとなく(描写とか抽象的とか)わかってよかった。詩というのは絵と似ている表現世界なのだな、と思う。 -
はじめのほう、美文とか定型詩とかを読み解くのに挫折して一回手離したのですが
『狐が選んだ入門書』で紹介されてたので買い直しました。
やっぱり私は口語文がいいです。
はじめの方の難解な詩も、解説により何とかなんとなく読めました。
こういう親切過ぎず、不親切過ぎず、詩の性質によって解説の濃淡を分けるような本は貴重なんじゃないかと思いました。
紹介されていた詩の中では千家元麿の『秘密』と伊東静雄の『訪問者』が好きです。 -
2008-00-00
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竹中郁知ることが出来てよかった。
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昭和20年代後半に書かれた本です。藤村藤村以後の日本近代詩の流れに沿って、初心者にも親しみやすい表現で書かれています。代表的詩人が多いので、もう少し個性的、ユニークな詩人の紹介も欲しいところです。
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音韻論が面白かった。