日本童謡集 (岩波文庫)

制作 : 与田 凖一 
  • 岩波書店
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003109311

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  • 大正から昭和(終戦まで)にかけて作られた童謡のうち約300篇が収録されている。ここでいう童謡とは、いわゆる「創作童謡」を指す。巻末の解説をもとに説明すると、一般に童謡とひとくくりに呼ばれている歌は、音楽史的観点から3つの種類に大別されるという。

    1) むかしから民間の子供たちに伝承されてきた「わらべうた(伝承童謡)」。
    2) 明治以降に政府主導で作られた「唱歌」のうち、やさしい歌詞のもの。
    3) 大正以降に民間の詩人・音楽家によって作られた「創作童謡」。

    いにしえより創作者不明のまま伝承され庶民に親しまれてきたものが「わらべうた」である。一方、明治以降に国(文部省)によって創作され学校教育で用いられたものが「唱歌」である。美しく格調高い作品が生み出される一方、情操教育のみならず道徳教育の役割も負わされていた唱歌には、芸術性を二の次とした教化的・抑圧的な内容の作品も多かった。大正中期、いわば官製童謡である唱歌に対抗して、自由で芸術性の高い童謡を作ろうという運動が民間のアーティストの間で盛んになる。こうして生まれたのが「創作童謡」で、本書ではこの最後のカテゴリーに属するものを取り上げている。なお、「わらべうた」と「唱歌」はそれぞれ独立した歌集として岩波文庫の別の巻に収録されている。

    収録されている歌の中で目にとまったものを挙げてゆくと、「ゆりかごの歌」「春よ来い」「背くらべ」「あめふり」「夕焼け小焼け」「夕日」「たきび」などは特に有名だ。題名から思い出せなくても歌い出しを聞けばある程度歌える人が多いだろう。「しゃぼん玉」「どんぐりころころ」「雀の学校」「汽車ポッポ」などは、大人より子供の方がよく知っているかもしれない。「赤い鳥小鳥」「かもめの水兵さん」「七つの子」「雨降りお月さん」「ペチカ」などは、私は子供の頃に聞いた記憶があるが、今の子供はどうだろう。「赤とんぼ」「叱られて」「かなりや」「からたちの花」「月の沙漠」などは、後世にまで歌い継がれてほしいと思う秀作だ。

    本書に収められているのは昭和20年の終戦までの創作童謡だが、戦後も新しい童謡や、童謡としても通用する新しい歌が数多く作られている。挙げればきりがないが、「大きな栗の木の下で」「犬のおまわりさん」「おもちゃのチャチャチャ」「手のひらを太陽に」「ドレミの歌」「エーデルワイス」「さんぽ」「君をのせて」などは、新しい創作童謡として市民権を得ているといっていいだろう。母国語でゆたかな子供文化を享受することができた幸せ、我が子に享受させてあげられる幸せを、深くかみしめたい。

  • 再読。大正、昭和の創作童謡。唱歌に比べたらストーリー性があって童話的な雰囲気。でも歌詞を見て自然と口ずさめるのは唱歌のほうが圧倒的に自分は多かった。

    北原白秋をはじめ、泉鏡花、小川未明、金子みすず、竹久夢二、新美南吉、与謝野晶子、蕗谷虹児など、作詞陣が豪華。メロディは失われても詩として美しい。

  • 再読。いい歌がいっぱい。とくに西條八十さんの詩が好き。

  • 赤い鳥とかそういった雑誌に載っていた童謡が盛りだくさん。挿絵もついてて長方する。

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