- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003210888
感想・レビュー・書評
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ハマるぞ、ギリシア演劇!!
アリストファネース(アリストパネス)って胸像だといかにも厳しい印象の気難しそうな売れっ子劇作家の男性だったんだな、と見受けたけれども書いている内容は下世話かつドタバタのコント。
読後に改めて彼の胸像をまじまじ見ると、どことなく口元がにやけてるし(注・個人の感想です)、なんか気のいいおっちゃんにも見えてきました(失礼)。
題材は’男性と立場逆転しての女性の地位向上’という、’結果的に’いかにも先見性や革新性を取り入れた社会風刺喜劇を物した内容であると思いつつ(書かれたのは紀元前390年頃ですよ!)、どうやらそこには深遠な思想やアテナイの男尊女卑社会に楔を撃ち込んでやろうとかいう意図はなくて、’こんなんなったら面白くないですか?絶対ありえないけど(笑)’的な、どことなく’余裕綽々でイジる笑い’がベースに据えられているのが気になると言えば気になるけど、作中で描かれる男どもがあまりにどうしようもなくて、そのしょうもなさについつい笑ってしまいました。
妻が自分の上着と靴を着けて行ってしまったおかげでウ○コしに行けないじゃないか!とガチ憤慨するブレピュロスだったり、女性代表・プラクサゴラが定めし世の中の仕組みが劇的に変わった後に、もはや思考放棄して無抵抗で率先して家財ありったけを供出するクレメースであったり、すべからく男性陣が何とも情けなくタジタジ。
これらにアリストファネースとしての’女性の立場をどうにかせねばならん’みたいなメッセージが込められていればいざ知らず、反語的に’ま、こんなんありえませんがね(笑)’と笑いを誘ってきている風情が、詮ない事と言え、やはり少々気にはなりました。
理解は兎も角も岩波文庫をきちんと読み切って、それなりにでも面白く読めた自分を褒めてあげたい意味でも星5を付けたいです。
調子に乗って他のギリシア演劇作品にも手を出してみようか。
ちなみにながら、演劇として読み解いた時に’このシーンの背景舞台装置は理論上こうだったのではないか’とか’この場面のこの台詞は劇展開上この人物が発したものではないか’とか分析するのにめちゃくちゃ興味が湧きました。
この頃には既にワイヤーアクション的なものがあった事にも驚き(※この作品では使用されていませんが)。
16刷
2022.11.24
2022.11.25 ※部追記詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
深夜に夫の衣服を奪い男装し民会に参加しようとする女たち。目覚めた夫たちの会話。お互いに提案しようとする議題。
市川図書館
2010年6月3日読了 -
女性が男性にかわって政治を行うこととなった。そして、アテネは一種の共産社会へ。
そして悲劇は一人の若者に。
美しく若い女性のもとへ向かおうとしたが、
老婆は三人もやってきて、思いを遂げるには自分たちと楽しんでからだと・・・
ひぇぇぇ!!!!! -
アリストパネスの女シリーズ。
どうにかして政治に参加しようとする女たちの
悪戦苦闘?を描いたコメディー。
当時の政治参加や女性観も垣間見えて面白いです。