ハーディ短篇集 (岩波文庫 赤 240-8)

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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003224083

作品紹介・あらすじ

悲劇的宿命論者といわれてきたハーディ(1840‐19228)だが、ユーモア、諧謔こそ彼の特質である。伝承的バラッドの響ただよう「帰らぬひと」、谷崎潤一郎が惚れこみ翻訳までした「グリーブ家のバーバラ」、本邦初訳の散文詩「古代土塁での逢引き」等8篇を精選。

感想・レビュー・書評

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  • テス以外のハーディ作品を初めて読んだ。この作者の特徴なのかどの話も女性の心理描写に凝っていた印象。作品内の情景や人物の描写が簡潔で分かりやすい。会話や登場人物の心情から自然と時代背景を汲み取ることができるので、話に入り込みやすかった。 特に印象的だった話メモ → ドイツ人部隊の憂鬱な軽騎兵/リール舞曲をひくフィドル弾き/夢見る頃を過ぎても/グリーブ家のバーバラ

  • 職場の先輩から初オススメ。
    多分、薦められなかったら読んでないね、トマス・ハーディー。
    イギリス文学。

    冒頭描写がしんどいのに、話が承に入ってくると急にのめり込む不思議(笑)
    からの、結末のやりきれなさ!
    なるほどね、これを書きたい人なんだね。

    一番ハマったのは「帰らぬ人」。
    元はといえば、エミリーの恋人だったのに、二人が幸せになるのがイヤで、無理に結婚したジョアンナ。
    ところが、エミリーにできた年上旦那が予想外のお金持ちで、彼女はどんどん裕福に……。
    そこでジョアンナは自らの夫と息子二人を、エミリーよりも収入を得るために海に向かわせる。

    ジョアンナ自身は報われない終わり方でもいいけど、夫と息子二人はジョアンナの手から逃れてくれていたらいいな、とか思う。
    まあ、他の作品を読む限りでは、そんな腹黒さもなくただ堕ちてゆくのみだろうけど。

    「グリーブ家のバーバラ」も、辛すぎる。
    イケメン旦那エドモンドは火事でえげつない顔になり、バーバラはそれを拒んでしまう。
    って、まあ、あの描写だったら拒むでしょう!
    人体模型並みの醜さって……。
    更に、新しい夫(元々言いよってフラれた)アップランドタワーズからはバーバラの元旦那への想いを、エドモンド火事後の顔を復元することで復讐される。

    ぎゃー。
    そんな仕打ちで、アップランドタワーズに服従しちゃうバーバラ。可哀想すぎる。
    イケメンを求めた罪はかくも重いものか。

    そういう意味で宿命論者というわけですね。
    機会があれば『テス』読みたいなー。

  • 『帰らぬひと』がベスト。それと『グリーブ家のバーバラ』、この2篇は読む価値あり。それ以外はあまりよくない。解説は全然ダメ。

  • 予測のつかない顛末。どんどん残念な感じに運命の坂を転げ落ちていく人々。短編なだけにそのドラマがぐっと凝縮されていて、読むとお腹一杯になる一冊。
    特に好きだったのは「グリーブ家のバーバラ」ひどい悪役ではあるけどアップランドタワーズ伯爵の傍若無人な振る舞いが滑稽で好き。
    それから「変わり果てた男」や「夢見る頃を過ぎても」も良かった。一生懸命なんだけど、どこかで道を踏み外してしまう人々の一喜一憂が面白い。

  • ゼミで使用。

    女が不実なことをして痛い目を見る、という話が多かった。
    自業自得だけれど、女がその時その時の保身で動いていなく、結局反省した人も自分の不実さに気づく人もいないので、読後にすっきりすることもなく嫌な後味が残る。
    一番面白かったのは「三人の見知らぬ客」。1つだけ毛色が違う作品で、楽しんで読めた。

  • 英語の講義でハーディを読み進めるということだったので、サブテキストとして購入。
    てか全訳載ってるようなものだったので楽勝でしたw
    話自体はバッドエンド多いです…

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