黄金の壺 (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003241417

感想・レビュー・書評

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  • 華麗で幻想的な出来事が、複写を生業にする学生や、俗物的な教頭といった俗世一般の人間たちの生活の上に織りなされ、物語のまとまりと、美しい描写によって楽しい小品を作りあげている

    ヴェロニカが可愛らしい
    俗物的な欲求の虜になってしまう人間の弱さを見ると微笑ましなる。邪な手段に頼っても下心を成就させようとする姿を見ると愛らしいと思う
    不思議なものだ。

    しかし、この作品にあるような純朴な美しさというようなものは現代では書けないよな、と思う。書くとしたらたちまち詭弁くさくなってしまう気がする

  • 再読。なにかとついていない大学生アンゼルムスくんが、黄金の小蛇ゼルペンティーナに恋してしまい(正体は美少女だけど、いきなり熱烈に蛇に恋するとか冷静に考えるとちょっとビックリする)その父親で、元・火の精のリントホルストと因縁のある魔女との争いに巻き込まれて引き裂かれそうになったりしつつも、愛を貫くお話。基本的にはハッピーエンドの恋愛譚だけれど、素材はゴシックファンタジー風で楽しい。ゼルペンティーナからアンゼルムスを奪おうとする人間の女の子が俗物すぎるのも皮肉で笑える。

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