- Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003251416
作品紹介・あらすじ
われわれが「舌きり雀」や「カチカチ山」の話をいつまでも忘れぬように、フランス人の心には美しい詩の形で聞かされたラ・フォンテーヌの『寓話』が深くしみこんでいる。蝉や蟻や烏や狐などが自由にものを言い行動して人生の知恵を知らぬ間に身につけさせる。上巻には第1集を収録。
感想・レビュー・書評
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人間として知っておくこと
その相対を把捉することができればわれわれ人類は
異なるであろう軌跡を描くであろうが、
そもそもたえず動である現在というこの世界に
静として認識できると言い切れるか?
問われれば、「否」と答えるより他ない。
かといって、何もできないわけでもないのであって、
常に己を認識し軌道を修正していくこと
自分がなした行為がいつ、いかなる時点で見れば
善であるかを予測すること
それ以上になにがなせるだろう?
きっとあるはず... -
詩で書かれた寓話選。
「フランス語の美しい詩」っつっても私はフランス語全くわからないので邦訳を読むより術はなく、となると結局は音律とか韻とかの美もわからず仕舞いで残念なことこの上ないのですが、そこはまあ潔く諦めて内容の方だけ楽しみました。だったら普通にイソップ童話読みゃいいじゃん、って後から気付きました。無知って恐ろしい。
動物達が実にのびのびと語っているな~皮肉が効いていて面白いな~と思いきや、いきなり素のラ・フォンテーヌが顔を出して世の文学批評家に向かってキレ出したりするのにちょっと笑った。苦労されたんですね……。 -
星新一のショートショートみたいな。
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フランスでは今でも幼い子どもたちにラ・フォンテーヌの寓話を暗唱させると聞いた。美しい詩によってうたわれる、ユーモアの溢れた楽しいお話はしかし同時に痛烈な教訓を隠して、子どもたちの心の奥深くに根付くのだろう。イソップ物語を下敷きにしていることもあって、馴染みのある話も多く興味深かった。和訳も素敵なのだけど出来るなら原文で読んでみたいなあ。