- Amazon.co.jp ・本 (513ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003261736
作品紹介・あらすじ
アンナは正式な離婚を望む。が夫は拒否。ウロンスキイはアンナを愛したが、社交界で孤立してゆく彼女に次第に幻滅を感じる。絶望したアンナはついにホームから身を投げる、「これで誰からも、自分自身からものがれられるのだ」とつぶやきつつ。
感想・レビュー・書評
-
この巻に来るとアンナは完全におかしくなっていく。彼女を追いつめて行ったもの、やはり罪の意識が大きいんじゃないかと思う。自分自身では悪い事をしたと思っていない、むしろ非を認めたくない。それでも世間から罪人のレッテルを貼られ、穿った見方をされる事実に押し潰されてしまったのだろう。
もう一人の主人公レーヴィンは真理の追求を求めて止まない。これは家庭を描いた小説…と言えどもテーマは重く、読んでいてかなりしんどかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2023.06.04
-
アンナは正式な離婚を望む。が夫は拒否。ウロンスキイはアンナを愛したが、社交界で孤立してゆく彼女に次第に幻滅を感じる。絶望したアンナはついにホームから身を投げる、「これで誰からも、自分自身からものがれられるのだ」とつぶやきつつ。
原題:Анна Каренина
(1877年) -
こころの動きというか揺れくらいのとこまでちゃんと言葉でとらえ、削り出せてるとこは唸るしかない。
この本を読んで考えるのは愛ってすげぇ曖昧やなと、人によって、状況によって、時代によって、気持ちによって形を変えるもんやから形だけ見ると全然違うもんになる。風船のどこかを指で押すといろんな形になるように。
書評はオブロンスキー家、カレーニン家、レーヴィン家の対比だというけど、おれにはアンナとレーヴィンの対比に思えてならない。
1人は身を焦がし、滅ぼすほどに愛を求め、1人は疑り深く慎重に愛に近づいていく。
もう一つのクライマクスはニコライの事件やろう、何がってその時のレーヴィンの気持ちの動きが見事。 -
読んでいる時と読み終わった後で印象の変わる不思議な本。アンナの華やかな物語と、リョービンの素朴な物語が交互に展開されていく。
読んでいる時は華やかなアンナの話が面白く展開が気になりリョービンの話は退屈に思えたのだが、読み終わってみるとリョービンの農夫達と共に働く時の話やキティとのささやかなやりとりが、胸にじんわりと染み入るように思い出される。
人生における幸せとは案外このように必ずしも刺激的なわけではなく、普段は見過ごされがちだがふとした時に思い出されるようなものなのかもしれない。
-
「アンナ・カレーニナ(下)」トルストイ著・中村融訳、岩波文庫、1989.11.16
514p ¥600 C0197 (2019.02.11読了)(1998.07.16購入)(1995.10.05/5刷)
【目次】(なし)
第六編 5頁
一~三二
第七編 227頁
一~三一
第八編 413頁
一~一九
解説 501頁
一~三 中村融
☆関連図書(既読)
「アンナ・カレーニナ(上)」トルストイ著・中村融訳、岩波文庫、1989.11.16
「アンナ・カレーニナ(中)」トルストイ著・中村融訳、岩波文庫、1989.11.16
「光りあるうちに光の中を歩め」トルストイ著・米川正夫訳、岩波文庫、1928.10.10
「人はなんで生きるか」トルストイ著・中村白葉訳、岩波文庫、1932.09.25
「イヴァンの馬鹿」トルストイ著・米川正夫訳、角川文庫、1955.08.05
「戦争と平和(一)」トルストイ著・藤沼貴訳、岩波文庫、2006.01.17
「戦争と平和(二)」トルストイ著・藤沼貴訳、岩波文庫、2006.02.16
「戦争と平和(三)」トルストイ著・藤沼貴訳、岩波文庫、2006.03.16
「戦争と平和(四)」トルストイ著・藤沼貴訳、岩波文庫、2006.05.16
「戦争と平和(五)」トルストイ著・藤沼貴訳、岩波文庫、2006.07.14
「戦争と平和(六)」トルストイ著・藤沼貴訳、岩波文庫、2006.09.15
「トルストイ『戦争と平和』」川端香男里著、NHK出版、2013.06.01
(「BOOK」データベースより)amazon
アンナは正式な離婚を望む。が夫は拒否。ウロンスキイはアンナを愛したが、社交界で孤立してゆく彼女に次第に幻滅を感じる。絶望したアンナはついにホームから身を投げる、「これで誰からも、自分自身からものがれられるのだ」とつぶやきつつ。 -
アンナとウロンスキイの関係は共感。
-
レーヴィンが生の目的について理解するシーン、志賀直哉の暗夜行路で時任謙作が大山に寝転ぶシーンと何かが私の中でリンクした。本と本とが自己の中で繋がっていくのは、なんて尊いことだろう!