- Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003313510
感想・レビュー・書評
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大正後期の女工についてのルポ。募集から寄宿舎での生活、恋愛、教育程度、思考等々想像していたより女工について細かく分析している印象を受けた。
今ではほぼありえない超ブラック企業であるが、このような数多くの女工達の苦難の上に日本が発展していったということは、現代に生きる私たちは知っておくべきことと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
当時の労働者が如何に権利を保障されていなかったかが書かれている。当時経済を牽引していた繊維産業であったが、現在のブラック企業も真っ青な安全無視、長時間労働、借金漬けにする仕組みなどひどい人権蹂躙があった。
とはいえ、この本を読んでいて思うことは、昔から日本の企業は労働生産性が高いわけでなく、低い賃金でシェアを上げている構造は本質的に変わっていないように思った。もちろん、今では高品質とされているが、その高品質も結局は長時間労働に基づいたものだとすると、それができない時代になると競争力は落ちるのだなと思う。
また、作中に守れない生産目標を押し付けられて手抜きが横行する話がでてくるが、今の某鉄鋼会社の不祥事などを考えるとさもありなんだなと思う。行動経済学だと守れないルールなどを課せられると、リスキーな行動を取りがちだという話とも整合性が取れていて、状況はよく理解できたと思う。 -
30ページ位読んだが、全くハマれる気がしなかったので読むのをやめた。
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ずっと探してた一冊。
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近代日本の労働環境を知る目的と、有名な書籍であるので手に取った。
「哀歌」とあるとおり、紡績工場で働く女工の労働環境について、特に負の側面について記載されている。また、本産業におけるルポライターとして初期の書であり、その労働環境について社会に知らしめる役割としては多大な影響があっただろうと推察する。
また、当初の社会背景をある程度理解し、海外の過酷な労働者の立場、現代日本とは事情が大きく異なることを注意して読んだ。
確かに、工場から出れないとか、手紙を閲覧されるとか、病気になって実家に帰るとか、負の側面は多々あったと思われる。これらを反省し、現代の整備された労働環境がある、、と思いたいところだが、1日10時間とか12時間労働はざらにあるし、それほど改善されていないのかもしれない。
当時は、田舎の農家にとって金銭を手に入れるのは大変だったろうし、娘を売るとなると遊郭という時代のはずであり、工場の方がベターだったんだろう。教育や嫁入り修行に必要な修行もあるし、当時の社会環境では好意的な側面も大きかったのだろう。社外に出れないのは、田舎娘がお金持って都会にでれば、散財(ショッピング!)もするだろうし、悪い男にも騙されるだろうし。
いろいろと、考えさせることは多いのである。 -
森崎和江の「まっくら」で明治大正の女子労働の過酷さを知り、女子労働をさらに学ぶために読んでみる。
物語ではなく、調査資料に基づく客観的論説。
これはこれで価値があるのだろうが、データの羅列にさらっと読み流す。
「わたしの『女工哀史』」を先に読んでから、これを読めばよかった! -
映画や本などで底辺で苦しむ女工のことを知ってはいたが,このようにあらゆる視点角度から詳しく書かれていて,1級の資料としてもすばらしいと思いました.工場の歌まで載っているのには驚きました.