- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003319314
感想・レビュー・書評
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【書誌情報】
著者:石田英一郎
解説:田中克彦
定価1,067円
通し番号:青193-1
刊行日:1994/05/16
9784003319314
文庫 336ページ
河童が馬を水中に引きこもうとする――日本各地にあるこの伝説の類話は,朝鮮半島からヨーロッパまで,ユーラシア大陸全域に見られる.この,馬と水神との関係の背後には,農耕社会における牛の役割が潜んでいる.一方で猿と水神の不思議な結びつきが…….時空を超えて人類文化史の復原に挑む,歴史民族学の古典.
〈https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b246228.html〉
【簡易目次】
第1章 馬と水神
第2章 牛と水神
第3章 猿と水神詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本著の一発目が刊行されたころは、だんだん「敗戦なので河童」と言ふ謎の河童ブームが出てゐたらしい。
さらに、著者は男爵で、パパから爵位は貰ったけど赤くなったのでさういふ活動して爵位を取っ払ったらしい。
さういふ関係だとアイデンティティフリーな地獄が出るので、河童とかに頼りさうであるが、さういふ可哀想な関係としては大変幸運なアプローチでいい筈。
「椰子の実を頭蓋骨に見立てて」どうのといふ面白い儀礼があった。へー。(南方熊楠によれば、椰子の実は一部、人の顔に見えなくはないらしい) -
河童が馬を水の中に引きずり込む、という伝承を、馬と水の関係に始まり、それと似た牛と水の関係、河童の原型の一つと言われる猿と馬の関係に分けて比較民族学的に様々な国や民族の例を出して考察した本。とにかく知識量がすごい。
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石田英一郎の著作は「桃太郎の母」につぐ2作目。
世界的な神話の比較から、河童と水神、馬と牛、猿の関係を概観する。
関係をたどる道筋は推理小説にも似て、読み物として大変面白い本。
あとがきを読むと、より理解が深まるのかなとも思う。 -
(2010:渡辺正人先生推薦)