ヨーロッパの昔話――その形と本質 (岩波文庫)

  • 岩波書店
3.33
  • (2)
  • (3)
  • (4)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 144
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003422915

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「「むかしむかしあるところに……」.人びとが長く親しんできた昔話には決まった形がある.魔女・こびとなどとも違和感なく出会い,主人公に与えられる試練の数は三つ,心の葛藤は描かず肉体の痛みもない…….グリム童話ほか,ヨーロッパ各地に伝わる数多くの昔話を分析,その本質を学問的に突きとめた先駆的著作.」
    凡 例
    日本の読者へ
    まえがき

    序 説

    一次元性
     超越的なものとの関係

    平面性
     もの/肉体/特質/内面的世界/環境/諸関係/時間

    抽象的様式
     登場人物やものの形態――その輪郭/材質/色彩/話のすじの記述法/定式/極端性・禁令・条件・奇跡

    孤立性と普遍的結合の可能性
     昔話の本質についての決定的標識/人物やものの孤立化/話のすじやエピソードの孤立化/逐語的反復/普遍的結合の潜在的可能性/「偶然」/贈物/奇跡/無効力のモティーフ/昔話の主人公

    純化と含世界性
     モティーフの純化/魔法的なもの/神話的なもの/超越的なもの/儀式/エロティックな素材/日常的な素材/普遍性/世界内容の代表性

    昔話の機能と意義
     物語としての昔話/昔話以外の民間口承叙事文学の本質と機能
    12/「願望の文学」/かくあるべき文学/かくある文学/象徴性/解釈可能であること/笑話への傾向/最終の形としての昔話/成立時期/成立のための可能性/維持のための可能性(昔話形成者と昔話運搬者)/様式の純粋性と不純性/将来の意義

    昔話研究について
     ジャンルと個々の説話/印刷された昔話と口承の昔話/現代における文芸学的昔話研究/心理学的昔話研究/民俗学的昔話研究

    昔話の構造主義的研究――プロップの業績の評価

    訳 注
    訳者あとがき
    索 引

  • NDC: 388.3

  • 期待していたほどの内容ではなくちょっとガッカリ。なんというか、知りたいのはそこじゃないんだよなあっていう、痒いところに手が届かない感じ。「昔話とは○○である」っていう表面的な事実だけ羅列して、ではなぜそうなったか?という分析まではされていないので物足りない。

    たとえば、昔話の中で好まれる数字は「1、2、3、7、12」である、うんうんなるほど確かに三人兄弟定番だよね小人は7人だし納得・・・で???え???その事実を指摘するだけで終了?3とか7とかって数にヨーロッパでは何か特別な意味やルーツがあるのかっていう考察はしないの???みたいな。

    後半まで読み進めていくと、本書は「昔話の文芸的解釈であり、その目的とするところはこのジャンルの本質的法則を見つけだすこと」だと書かれていたので、そもそも私の想像していたのとは違うジャンルの本だったようです。昔話っていうだけで勝手にヨーロッパ版・柳田國男風というか民俗学アプローチを期待しちゃった私が間違っていたのね。よく見たら帯の色も白だったわ。そこを了解していればそれなりに面白い本だったかも。

全7件中 1 - 7件を表示

マックス・リュティの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×