- Amazon.co.jp ・本 (515ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003812617
作品紹介・あらすじ
政治史学の礎を築いた岡義武(1902―90)が明治期の政治・経済・社会を包括的に描いた通史。臨場感を与える多くの史料を織り込みつつも均整のとれた歴史叙述となっている。開国から帝国議会開設までを扱った上巻では、明治維新を、民族の独立確保という至上命題のもとでなされた「民族革命」として位置付ける。(解説=前田亮介)
感想・レビュー・書評
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日本政治史の古典。脚注の引用史料には漢文(読み仮名も送り仮名もない)も多く容易ではないが、率直な書簡とか自由民権運動の内輪もめなどこぼれ話も多く、著者の拘りが感じられる。また、膨大な史実を扱っているにもかかわらず、文章も明快で、解説込みで500頁超を思わせない。
宣伝文にもあるように、民族革命=欧米列強の外圧に対する自立という観点からの通史のため、国内の階層対立についてはあんまり目配りはされていない。民衆はあくまでも客体として描かれている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「薩長は皇国の柱石なり」このような烈しい誇負、使命感は藩閥勢力の国家的忠誠を支えるものであったとともに、民族革命から生まれた新しい国家体制の象徴となった天皇への彼らの讃仰の基礎となった。
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史料の部分をじっくり読むのはしんどいので、スキップしてしまったが、本文だけ読んで、幕末から明治までの流れが、なぜそのような気運が盛り上がり、主人公たちはどのように考えて行動していたのか、というようなことがわかる。ダイナミックで、一本道ではなく、当事者ならではの悩みがいろいろあっただろうな。。と考えながらぼちぼち読む。
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312.1||Me||1