- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003812624
作品紹介・あらすじ
日本の政治史学の礎を築いた岡義武(1902―90)が明治期の政治・経済・社会を包括的に描いた通史。多くの史料を織り込みつつ均整のとれた歴史叙述となっている。帝国議会開設から大正政変後までを扱った下巻では、民族の独立確保を至上命題とする明治国家が、日清・日露戦争を経て次第に変容していく過程を描く。(解説=伏見岳人)
感想・レビュー・書評
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帝国議会開設から日清・日露戦争を挟んで大正政変まで。前半は、一次はアジア諸地域からの期待を集めた日本が、結局は脱亜=帝国主義化へと歩みを進めていく過程が描かれる。ついで後半には、『原敬日記』が主要史料に登場。原敬、桂太郎、山縣有朋の攻防が中心である。桂園時代の内実が桂原時代であったことがよく分かる。
伏見岳人氏の解説は、岡の執筆時の逡巡や吉野作造からの影響が分析されていて、内容理解を助けてくれた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
七月三十日、天皇は歿せられた。「夏の暑い盛りに明治天皇が崩御になりました。其時私は明治の精神が天皇に始まって天皇に終わったやうな気がしました。最も強く明治の影響を受けた私どもが、其後に生き残っているのは、必竟時代遅れだといふ感じが烈しく私の胸を打ちました」
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さすがに歴史教科書と司馬の小説では触れたことのない領域の話が増えてきた。ということは、専門家以外にはあまり系統的に教育されてはいない、ということだ。日本における「議会」の導入がどのようであったかということが。
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第3章 民族の独立追求(明治二三年前後のわが国をめぐる国際状況;初期議会・条約改正;日清戦争;戦後政治の展開;軍備の拡張と階級的文化の進行;日英同盟成立の前後;日露戦争)
第4章 帝国建設の進展と政党勢力の上昇(「戦後経営」;外交の新しい局面と新しい課題;明治の終焉;「大正の政変」)
著者:岡義武(1902-1990、東京、政治学)
解説:伏見岳人(政治学) -
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