- Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004131007
作品紹介・あらすじ
将軍家と守護大名家の相続争いをきっかけに東軍細川勝元と西軍山名持豊が諸大名をそれぞれ味方につけて闘った応仁の乱は、群雄割拠の戦国時代の幕あけであった。土一揆や国一揆が各地をおおい、下剋上の風潮がはびこった。この動乱の流れを追って、土着武士の役割に注目しつつ、戦乱にもまれながら歴史を動かす民衆の姿を描く。
感想・レビュー・書評
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『応仁の乱』と銘打っているが、応仁の乱の概説ではなく、むしろその流れを抑えていることを前提として、応仁の乱勃発の原因を解き明かすのが目的の内容。従って、応仁の乱の概要はいうまでもなく、その時代背景や術語もある程度理解していないとついていけない。本文中にも書かれているように、主義や所属のために争ったのではなく、個人が個人の利益のために即いたり離れたりして、てんでバラバラ戦ったのが応仁の乱であるため、同じ苗字の人が敵同士になり、しかも名前はどれも似たり寄ったりで (「義」のつく名前の如何に多いことか)、正直わけがわからない。更に本の冒頭が応仁の乱によって引き起こされた飢饉の紹介を導入としているため、余計に混乱する。作者としては、ただの家督争いで収まらず戦争にまで発展した挙句に飢饉を誘発したほどの規模だった、というのを強調したかったのだろうが、日本史門外漢からすれば、飢饉の結果が応仁の乱なのかと勘違いさせられる。
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単に足利諸氏などの武士の動きを追うだけでなく、各地の奉行や寺社関係者などにも重点を置いており、かなり重層的な本となっていた。各地の農民層や国人層の利害や欲が、ただでさえややこしい応仁の乱とその後の混乱に大きく関係していたことが分かる。