ギリシア神話 (岩波新書 青版 547)

著者 :
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004140054

感想・レビュー・書評

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  • 入門編として分かりやすく、また信頼できる一冊。

  • やはり格調高い。

  • 古代ギリシャにて語られてきたギリシャ神話を分かりやすく整理・概説した書。著名な神々の性格から数々の英雄伝説までをコンパクトにまとめて紹介しており、広大多彩なギリシャ神話の世界を一望することが出来る。
    本書は、前半部で神々の紹介を、後半部で英雄たちの伝説の紹介を行う二部構成となっている。挙げられる物語はオリュンポスの神々が織りなす神話から、アルゴナウタイの冒険やヘラクレスの物語、トロイア戦争といった著名なものばかりで、ギリシャ神話の要点を概観的かつ一気に読み進めることが出来る。その意味でも本書は正に「入門書」ではあるが、個人的にはそれについてさらに評価できる点があると感じている。
    それは、「本書で紹介する伝説が一般的・概説的なものであり、実際には数々の変遷や異説が存在する」ということをあらかじめはっきりと述べている点である。元々神話や伝説というものは地域や時代において様々な変遷・変化を為しており、それ故同じ主題の物語でも多くの異説・異伝が存在するのだが、概説書においては(初学者にも解りやすく「一つの物語」として纏める必要上)そういったヴァリアントの存在が捨象されてしまいがちになってしまう。しかし本書は第一章にてオレステース伝説を例にとって伝説の変遷・変化を紹介しており、神話伝説が市井に知られる一つの有名な話のみではないということをしっかりと示してくれている。これはこれから神話の世界に本格的に興味を持った人が、(様々なヴァリアントを知っていくという)ワンステップ先の面白さに踏み出す大きな足掛かりになると思う。
    本書はあくまで一般的に伝わっている物語のあらすじを紹介することが目的であり、個々のヴァリアントの詳細な解説や神話学的な説明は殆ど行っていない。しかしだからこそ初学者にもとっつきやすいし、ここから知識を深めていくきっかけにもなり得る。そう言った意味で、本書はギリシャ神話の入門書として大きなものを持っていると言えるだろう。

  • 購入
    ぼちぼち読みます

  • 超難解。一冊目にはオススメしませんが、神話を深めるためには必須。

  • 古本市で購入、これまで曖昧だったギリシア神話それぞれの関係性がクリアーになる。

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著者プロフィール

1908-1973年。神戸市生まれ。東京帝国大学文学部卒業。オックスフォード大学に留学し,古代ギリシア語・印欧語比較文法を専攻。東京大学教授,武蔵大学教授,日本言語学会委員長,日本西洋古典学会委員長などを歴任。著書に『比較言語学』『ギリシア民族と文化の成立』『アルカディア方言の研究』等,学術文庫に『古典ギリシア』がある。

「2023年 『ギリシア・ローマの文学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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