- Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004161257
作品紹介・あらすじ
人間のすべての精神活動は、大脳皮質に密集している一四〇億の脳細胞の複雑微妙なはたらきによってかもしだされている。この人間の精神活動の中枢をなす脳研究の歴史をたどり、脳の構造とその進化の過程を明らかにして、われわれの本能や「生の意欲」など、そのはたらきのすべてを解説する。人間とは何かを改めて考えさせる本。
感想・レビュー・書評
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これはすごい、専門用語と術語のオンパレード。
特に序盤はひたすらに脳の解剖をして各部位に説明を加えまくる鬼っぷりで、自分の脳細胞がいくらか音を立てて破壊されていくのが感じとれた。
同じ人の著書に『人間であること』というのが同じく岩波新書(緑)から出ている。過去に読んでいるので、当時の読書メモを漁ってみたら「日をおいて再読したい」と書いてあった。やっぱり理解できていなかったのか。笑
とはいえ、どちらの本もテーマは面白いし、本著は読み進めると色んなテーマごとに脳の働きを眺めていて、後にいけばいくほど理解しやすい内容が増える。だから、
「あきらめないで!」(真矢み○き)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
時実利彦 「脳の話」 脳の解説入門書
脳が あたかも 人間の全てであり、大脳新皮質が 人間性を決めているように思える 凄い本
一番興味を持ったのは グリア細胞〜神経細胞は壊れたら再生しないが、神経細胞が壊れた分は グリア細胞が増殖して穴埋めするらしい。グリア細胞の本があったら読んでみたい
記憶し学習する脳「記憶や学習は 新しい 痕跡を刻むこと」
*記銘=体験→脳に痕跡として残る→その痕跡が反復により強化
*記憶=記銘が必要に応じて再現し想起できる仕組み
*学習=反復によって記銘を強める
判断する脳〜記憶を元にして判断する=側頭葉による
創造する脳〜積極性、感情全般、計画性=前頭葉による
腹が立つ→腹が減ると怒りやすくなる
*大脳辺縁系の水準=内臓から出るインプルスにより左右する
→空腹の時=異常なインプルス→大脳辺縁系の活動が異常
グリア細胞
*神経管の細胞が分裂→脳と脊髄を組み立て→神経細胞とグリア細胞に分かれる〜神経細胞は 精神の働きに直接関係
*グリア細胞は 神経細胞の物質代謝→数は神経細胞の5倍→散在している神経細胞の隙間を グリア細胞が埋めている
*神経細胞は壊れたら再生しない→グリア細胞が増殖して穴埋め -
岡潔先生がこの本を読んでいると書いていたので(基本本の中で紹介された本はかなり高い確率で読むことにしているので)絶対理解出来ないだろうと分かっていたが挑戦のつもりで読んでみた。やはり難しすぎてほぼ文章を目で追っているだけに終始したが、おそらく0.5%くらいしか理解出来なかったが面白かった。面白いにも色々な段階や一面があると思う、この場合分からな過ぎて面白かった。唯一完ぺきに理解できた文章は「ホルモン王国の総理大臣ともいうべき下垂体が突出している」だ。これだけは覚えておこう、ホルモンにとって下垂体はかなり重要なんだろう。(あとこれはあくまで例えとして出した唯一の箇所であってほとんどはもっと専門的で真面目な内容です。入門書らしいけど)とかく浅学非才を恥じるのみだが、今までの人生の中でこんなにも「前頭葉」とか「感覚野」とか「賦活系」とか「扁桃核」の文字を目にしたのは初めてだ。でも素読という文化もあるしこれもある意味で素読のようなものだと思おうと続けて読んでいると、一瞬読めかける気がするから不思議だ。本当は全然分かってないのだけど。けれども次また読む時は目が慣れた分だけ多少読みやすくはなる筈。しばらくはいいけどまたいつか挑戦したい。あと最後にやはりというかこれだけ系統立てて脳生理学というものを積み上げるには数多くの動物たちが実験の検体になってくれたおかげなんだなということも合わせて併記したい。
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脳の仕組みについてやさしく解説している入門書です。
著者の時実利彦は脳生理学の研究者ですが、専門外の読者にも分かりやすい言葉で本を書いていることで知られています。本書は1962年に刊行されており、相当古い本なのですが、今でも脳の働きの基本について一通り学ぶことができる入門書としての価値は失われていないのではないでしょうか。 -
(1966.09.30読了)(1966.09.02購入)
(「BOOK」データベースより)
人間のすべての精神活動は、大脳皮質に密集している一四〇億の脳細胞の複雑微妙なはたらきによってかもしだされている。この人間の精神活動の中枢をなす脳研究の歴史をたどり、脳の構造とその進化の過程を明らかにして、われわれの本能や「生の意欲」など、そのはたらきのすべてを解説する。人間とは何かを改めて考えさせる本。 -
難しかった。(^_^;)同著の「人間であること」に通ずる内容多し
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[ 内容 ]
人間のすべての精神活動は、大脳皮質に密集している一四〇億の脳細胞の複雑微妙なはたらきによってかもしだされている。
この人間の精神活動の中枢をなす脳研究の歴史をたどり、脳の構造とその進化の過程を明らかにして、われわれの本能や「生の意欲」など、そのはたらきのすべてを解説する。
人間とは何かを改めて考えさせる本。
[ 目次 ]
心のすみかを求めて
脳の進化
脳の発達
脳の構造
ネウロン
興奮と抑制
脳の研究を推進させたもの
大脳皮質の分業体制
感覚する脳
姿勢と運動を作る脳〔ほか〕
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
4004161258 227p 1994・4・5 53刷
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大学の教養科目で教科書として読んだ。記憶は遥かかなただが,あんまりおもしろい授業ではなかったので,本の印象もいまいち。ただ,別に内容に不備があるわけではないと思う。
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大脳生理学の入門書。近頃はやりの脳の使い方などではなく、脳の大きさや機能、神経細胞組織などについて、きちんと学べる良書であり、実験の歴史経緯にも詳しく、案外類書がないよい本です。40年以上前の著作で、当時まだ明らかになっていない点も指摘しています。今日ではきっと時代遅れの部分もあるのでしょうが、基礎基本はいかなる学問でも大事で、脳を学ぶには一読を要する本です。クオリアとか、文系よりの脳理論を読む前に是非抑えておく必要があり、現代でも意味を失っていません。65刷だからかなり読まれているんじゃないでしょうか。