- Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004200697
感想・レビュー・書評
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言語学と言えばソシュール。
だから、ソシュールから話を始める本は結構あります。
しかし本書はそうではなく、ソシュール以前の言語学史を概観するものです。
1786年にジョーンズが、サンスクリットとラテン語・ギリシア語が共通の源から発したのではないかという仮説を立てて以来の学説史です。
グリム、シュライヒャー、青年文法学派と続いて、ソシュールまで。
文字や音声に触れることはあっても、メインは言語の歴史的研究です。
本書を読むためにはラテン語・ギリシア語だけでなく、サンスクリットについても予習が必要です。
文法知識は大して必要ありませんが、音のイメージが掴めていないと途端に読めなくなります。
この点で私は大分消化不良になってしまいました。
面白いテーマの本なのですが、サンスクリットを勉強した後に読み直しです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
言語学が科学として認知されるまでの道程から、
現在の言語学、その問題点までを論じている。
言語学の科学としての認知は比較言語学から始まる。
William Jonesがサンスクリットとラテン語・ギリシア語の
類似点を指摘し、のちのグリムなどの言語学者が証拠と共に
音の変遷をまとめるに至った。
Junggrammatikerの台頭やソシュールの活躍なども記述されている。
各時代の主要な言語学者と共に、彼らの論文の紹介もされている。
論文の内容的な説明や、また問題点も指摘している。
しかし、どの論文の内容も、サンスクリット・ギリシア・ラテン語等の
基本文法を知らない状態では説明を理解するのは困難だと思った。
音声学などは比較言語学の進展と共に誕生した学問で
この本でもその発展の道程が説明されているが
音声学の知識はある程度事前に持っていたほうが、
この本の説明がより良く理解出来るであろうと思った。