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- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004202189
感想・レビュー・書評
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徳政令の考古学。現代からは不合理に見える徳政令。
しかしそれは中世の常識を大きく離れていないし、為政者にとっては合理的な思惑があったことを論証する。
あまり現代の価値観で考えないようにと、中世の常識的な大法などの紹介がされる。それによるといわゆる仏陀法や神明法などがあり、仏物や神物は特有の境界性によりその所有を離れないことが原則とされたという。また武士層においても所有の巻き戻しがあり、代替わりしたのちですら所領が戻されることなどが例示される。
安達泰盛の徳政で行われた寺社領の回復(20年の時効なし!)があり、永仁の徳政令で御家人の旧領回復がされた。それらの徳政の目指すところのひとつは、寺社や御家人の領地が散逸する中で、それを回復することにより幕府の支配力を強めることだったという。
そして当時の地域ごとの決まり事を超えて、徳政令が国内の広くに与えた影響が説明される。
旧領を戻すということはどういうことなんだろうと考えたとき、それは象徴的な社会秩序の回復であっただろうと思う。家格と経済力との不整合、土地所有者の変更による被支配者の環境変化。そんなことが多発したのではないかと想像する。今より昔が良かったと、いつの時代でも漠然と人は思っている。
だから土地を本来の所有者に差し戻すことは徳政の名に値するのだろう。そう思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不朽の名著。
徳政令について、その原義から変遷を丁寧に書いています。中世をやるなら必見でしょう。
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