- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004202325
感想・レビュー・書評
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新書文庫
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まぁ、普通です。
時節柄ということと、最近、映画の『終戦のエンペラー』を見たので、
改めて、知識を身につけてみようというと思いました。
包括的に知識を得るには、良いと思います。 -
戦後占領史研究の泰斗である竹前栄治・東京経済大学名誉教授によるGHQ概論。
【構成】
はじめに
1.GHQの成立
2.日本占領
3.GHQの組織の人
4.戦後改革とGHQ
おわりに
2007年12月にアンコール復刊された名著。1945年から1952年の7年弱の間の占領期について、史料を用いた実証研究が行われるようになったのは、1970年代になってからであった。竹前栄治氏はその第一人者であり、膨大な一次史料を読み込み、占領期の基礎研究に多大な貢献をしたがその代償として、1980年頃から失明することになった。
戦後の占領政策を担った組織として「GHQ」、「マッカーサー元帥」の名を知らぬ者はいないし、そこで行われた占領政策についてもある程度知られている。
しかしながら、知られているのは「名」ばかりで、その実態、全貌を知ることは極めて難しい。政治改革で名高いホイットニー准将の民政局(Government Section)や、警察治安行政を監督したウィロビー少将の参謀二部(G-2)とは、いったいどういう関係なのか?そしてどういう権限を持ち、どのような形で日本政府に命令を下したのか。占領期の理解には、「GHQ」という特殊な組織体制を理解しないことにはおぼつかない。
本書の前半は、アメリカ太平洋陸軍総司令部(GHQ-AFPAC)としてのGHQ、そして連合国軍最高司令官総司令部(GHQ-SCAP)としてのGHQの沿革を辿り、その2つの組織の最高司令官たるマッカーサー元帥に与えられた権限を明らかにする。そして、後半は主としてGHQ-SCAP内の幕僚部(Staff Section)内のGS、ESS、CIE、NRS、SRSなどの各局の分掌とスタッフを紹介するとともに、いわゆる「戦後改革」をごく簡単に紹介している。
後半部分は幾分退屈だし現在の研究水準からすると物足りない部分も多いが、前半部分で展開されている「占領」の全体像の概括は今読んでも大いに得るところがあると思う