- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004302957
作品紹介・あらすじ
今や五万人を超える海外子女。その一割がニューヨークに住んでいる。突然、異言語、異文化の世界に放り込まれ、日夜激しいストレスに直面する子供たちは、さらに帰国後の進学に備えて過酷な日課をこなさなくてはならない。企業中心の孤立した日本人社会のあり方や、海外にまで進出した受験産業の実態なども厳しく問いつつ、報告する。
感想・レビュー・書評
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20年以上前の本だが、大変勉強になった。海外の子女教育はやはり一筋縄ではいかないと感じた。現地との摩擦は起きるんやな。そして、親の目は結局は日本に向けられている。本当に難しい問題だらけやわ。
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読売新聞記者を経てライターとなり、補習校の講師も務めた岡田光代さんの、ニューヨークでの子女教育の現場の事情をまとめている。
子供は現地校に入れてしまえばすぐに馴染んで、親よりも英語がうまくなる、なんていう安易な発想で現地校に入れるのはどうかと、考えさせられる。
たとえば、以下のような事情は読むまでは気がつかなかった。
・ 教育レベルの高い富裕層の住む地域は義務教育を受ける年齢の子供を持つ家庭は多くなく、他の国からくる子供のために教育費を出している形となり、地域の方とは軋轢が生じる。
・ 日本からの転勤者の家族は日本の学期の切り替わりの4月にやってくる。現地校の先生からすれば、もうそのクラスが終わり、というときに英語のしゃべれない日本人の子供が大挙してやってくるので大変困っている。 -
随分前に出された本だけど、今も内容はそれほど変わってないと思う。日本人学校や補習校、現地校での日本人海外子女の姿が書かれている。でもそれ以上に海外にでている日本人への日本の援助がどれほど少ないかがよくわかる。日本での教育改革が叫ばれているけど、政府の教育に対する甘さが今色々なところででてきているんじゃないかと思った。