盛り場の民俗史 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
3.23
  • (1)
  • (1)
  • (11)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 41
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004303008

作品紹介・あらすじ

香具師の口上が盛り立てる祭りの賑わい、欲望うごめく夜の歓楽街。そこに通いつめる人がいて、そこを仕事場とする人がいる。伝統的な盛り場が消えつつある今、長年の民俗調査にもとづき、その空間を鮮やかに分析し、歴史的な歩みを明らかにする。江戸から現在まで続く稀有な盛り場、上野広小路を主舞台に、哀歓こめて描く聞き語りの世界。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 1993年刊行。宮本常一に師事していた著者が、主として近世江戸から戦前期につき、上野周辺の歓楽街を定点として、その模様・変遷を解説する。昼の歓楽街(行楽)と夜の歓楽街(色街)とを別の章立てとする。岡場所や遊郭などは他書にも書かれ(殊に近世)ており、余り目新しい所はないが、昼の行楽(芝居・歌舞伎小屋、露店)から祭礼日のテキヤの存在など、かなり多面的に説明する点は新奇。終戦直後のドサクサにおいて、①GHQが在日朝鮮・韓国、あるいは台湾人を解放国民としたため、日本の法令に従わずに闇市を跳梁跋扈した点。
    ②終戦直後、自力救済の必要性が高まったため、テキヤ独自の武装面を暴力団構成員が担当した点。その結果、歓楽街の治安維持に彼らが利用された一方、終戦の混乱期が収まるにつれ、他の暴力団構成員との対立関係を官憲が企図・実施したことで、テキヤやその背後に対する戦後の悪イメージを刻印したとされる点も、さもありなんと思える情報。

  • 盛り場の歴史的変遷を注視している。
    もう少し踏み込んだ内容を期待していた。

  •  盛り場の源流としての「門前」と「火除地」。有職渡世の「テキヤ」と無職渡世の「ヤクザ」との違い。「ケハレ」の空間としての歓楽街。法的規制とその抵抗のせめぎあいによる都市構造の変容。

  • 上野の盛り場の江戸時代からの歴史を追い、その変遷を当時の資料などから記した本。色街だけでなくテキ屋などのことも調べてある。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

1944生。民俗学者。旅の文化研究所所長、岡山県宇佐八幡神社宮司。著書に『酒の日本文化‐知っておきたいお酒の話』『しきたりの日本文化』『「旬」の日本文化』角川ソフィア文庫、『「まつり」の食文化』角川選書、『江戸の旅文化』岩波新書、『三三九度‐日本的契約の民俗誌』岩波現代文庫など多数。

「2016年 『「おじぎ」の日本文化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

神崎宣武の作品

ツイートする