- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004304067
作品紹介・あらすじ
景気はいつ回復するのか、経済成長率はどの程度か-日本経済の先行きが不透明感を増しているいま、経済予測の重要性は高まっている一方、政府や専門家の実績ははかばかしくない。予測作成のプロセス、発表された数字がもたらす影響、各種データの読み方などを詳細に解説しながら、経済政策のありかた、ゆくえを展望する。
感想・レビュー・書評
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高まる経済予測への批判◆政府経済見通しができ上がるまで◆経済予測の的中度◆経済予測の方法◆主要経済データの読み方◆財政金融政策は経済見通しを実現させたか◆政府の経済計画
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昔、読んだことがあるので既読で登録。
<blockquote>「経済見通しといわれている「年度経済計画」は単なる予測ではなく、そのプラスアルファをもっているものであり、政策の実行を前提として経済の姿がこうなるだということを示そうとするものである」(p27、1960年代中頃に、政府経済見通しをめぐって当時日本工業新聞社社長の稲葉修三氏の批判)</blockquote>
<blockquote>政府経済見通しは翌年の日本経済がどのような姿になるかを示すものだから、翌年度の予算案と一体として作られる。(p40)</blockquote>
<blockquote>経済予測でもっとも普通に行われているのは、段階的接近法(SA法=Successive Approximation Method)と呼ばれる方法だ。日本ばかりでなくOECDなど世界的にも広く用いられている。(中略)まず10名から20名程度の予測者が、個人消費、民間設備投資、輸出入、国際収支、物価など各項目の担当に分かれる。予測は、何らかの方法で「仮説値」を置くところからスタートする。この「仮説値」を使って予測を始める。(中略)新たな予測値を使って再び予測を行ない、全体として納得のできる、整合性のとれた予測値が出るまで繰り返し作業を行なう。SA法の特徴はこの繰り返し作業にある。(中略)これとは別に、予測の前提となる円レート、公定歩合、原油価格、世界貿易などの外生変数を設定しておく必要がある。(中略)各項目の予測値が出そろったところで、これらの値を積み上げて、全体の大きさや各項目の整合性をチェックしなければならない。(中略)長所の第一は、<span style='color:#ff0000;'>予測にあたって多くのさまざまな副次的情報を利用でき、柔軟に対処できる</span>こと。この点がマクロ計量モデルによる予測との最大の違いであろう。(中略)第二に、SA法による予測にあたっては、<span style='color:#ff0000;'>多くの関数や経済指標を利用できる</span>。 -
4004304067 250p 1995・9・20 1刷