山が消えた: 残土・産廃戦争 (岩波新書 新赤版 789)

著者 : 佐久間充

• 岩波書店 (2002年6月20日発売)

感想・レビュー・書評

[sasha89さんの感想 · 2017年8月17日]

首都圏をはじめ、日本各地の建設現場に山砂を提供した千葉県
中西部。先祖伝来の地はどのように変容しているのかを追った
ルポルタージュだ。

砂の採取で削り取られ無残な姿を曝す山、そしてそこへ捨てられる
ようになった産業廃棄物。山砂や産廃を運ぶダンプによる公害。

地元住民だけではなく、産廃処理業者や過酷な労働条件下で働く
ダンプ運転手にも取材しておりバランスが取れている。

「おっ、おめえか、川を汚してんのは……。青堀（富津市）の漁師は
みんな困ってっぞ。海苔はダメ、ハマグリもダメになっちゃって……」

山砂の洗浄施設からの汚水が河川や東京湾に流れ出た際に、国会
議員になる以前の暴れん坊・ハマコーが業者にぶつけた怒りである。

本書で取り上げられているのは主に千葉県だが、産廃処理場の許認可に
対する千葉県と旧厚生省のでたらめな対応に唖然とする。

きっと、日本各地で千葉県と同様のことが行われていたのだろう。

エコブームの昨今、まだ使えるけど省エネ商品に買い換えましょう
なんてコマーシャルが流れているが、生産者は廃棄される商品の
後始末も宣伝するべきだよな…と、考えてしまった。

[あきさんの感想 · 2012年10月5日]

十年前に書かれた本なので、載っているデータは古くなってしまっているが、公害の被害者側・加害者側の両方の言い分を取り上げており、その点で好印象を持った。

[二次元研究所さんの感想 · 2011年4月16日]

4004307899　221ｐ　2002・6・20　１刷

[s0910047さんの感想 · 2010年2月1日]

千葉県で産廃山の様子を地域の住民などから聞いてそれを書いたもの。