- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004312659
作品紹介・あらすじ
なんでも覗いてみよう。ミクロの不思議に魅せられた著者が、得意の電子顕微鏡で超微小世界を案内する。庭に咲く草花から、はては自分の尿管結石まで。ふだん肉眼で見るのとはまったく違う、奇妙奇天烈な横顔が立ち現われる。旺盛な探求心と遊び心でつづる、ちょっとユーモラスな科学エッセイ。
感想・レビュー・書評
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<目次>
第1章 なんでも覗いてやろう
第2章 食卓のミクロワールド
第3章 庭先からぶらりと
<内容>
電子顕微鏡の第一人者(なんだろうな?)の本であるが、これは学術的要素は微塵もない。エッセイだ。もともと「ミクロスコピア」という雑誌に連載していたエッセイをまとめたものなので、致し方ない。しかし、とても緩いエッセイだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
カビの胞子をSEMに入れてみたり、梅干しを入れてみたり、おぼろ豆腐を入れてみたり、いろいろ観察してはミクロな発見をしている。真珠のボタンと模造品の表面と断面の写真には感動した。
明らかに、真珠の方が美しい。自然が作るものに人工物がミクロの世界で追いついていない。 -
新書文庫
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顕微鏡でみた世界。芸術的。
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顕微鏡を手に入れた少年はなんでも拡大して観察したくなるであろう.
そんな気分でSEM(走査電子顕微鏡)を操り,日常のさまざまなものを観察していく.
思いがけない美しい画像がたくさんあり,楽しめる内容である.
また,ほっこりとしたような文章に癒されもする. -
岩波新書なのに、多くの書店で売れ切れだった。その分期待したが…もっと高倍率の世界を期待してました。
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肉眼では見ることのできないミクロ世界のマクロ写真を、散歩気分で撮影しのぞき見るとは、すてきな趣味であるなぁ。撮影された写真の、細部まで隙なく作られた天然の造形の巧みさに感心するばかり。
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御年84歳のおじい様による気楽なエッセイ。本当に身近なものが低真空走査電顕の白黒写真となってアッと驚く姿を見せてくれる。09年廃刊になった「ミクロスコピア」に連載されていたもの。自宅にSEM研究所という電顕室をお持ちのようだ。この道楽を許している奥様が偉いと思う。
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ま・・・、ほんの数時間で読みました。(読みやすい)
印象としては下品ですが、むしろ年齢を重ねられたからこそ、幼き好奇心というものを逆に押し出してこられたのかと思います。
興味を持つことが大切であること。
若い人に「なんでも見てやろう・・」的な啓蒙書だろうと思います。 -
鉱物、生き物、植物、食べ物など、身近にあるあらゆる物を電子顕微鏡で観察し、そのミクロの構造を見てみよう というコンセプトの本で、掲載されている写真はどれも目を見張るものばかりであった。
私が一番感じたのは、自然物の微小部分はどれも複雑かつ機能的な構造を有しており、その形の美しさは人口物をはるかにしのぐものであるということだった。
特に驚いたのは、蟻や毛虫などの微小な虫に、非常に微小で効率的なシステムが組み込まれているということだ。その複雑さは人間の作るあらゆる微小機械よりも精密で効率的なのだ。
また、著者はその構造を解析するだけでなく、純粋に形の面白さや自然の素晴らしさを楽しんでおり、その喜びと好奇心がユーモラスな文体に滲み出ている。
こうした方法で自然の美しさを観察し、感動するというのは本当に羨ましい限りである。