- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004313311
作品紹介・あらすじ
人間とは何か?社会や環境の中で、何かを感じ、知り、考える心のはたらきとはどのようなしくみか?それは脳の中でどのようにできているのか?二〇世紀半ば、情報という概念を軸にして芽吹いた認知科学は、人間の思考や言語、感情などを解き明かし、社会性や創造性の核心に迫っている。その全体像がわかる、またとない入門書。
感想・レビュー・書評
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認知科学のこれまでの歩みを振り返りつつ、これからの展望をおこなっている本です。
とくに哲学などに関心をもっている読者が認知科学の概観を得たいと思ったときに困ってしまうのが、脳科学や心理学、言語学、コンピュータ・サイエンスなどの諸分野にテーマが拡散していて、それぞれの分野で追及されているテーマから哲学的な問題を抽出することがむずかしいということがあるように思います。本書は、新書一冊の分量でありながら、認知科学の研究史や諸分野で追及されている問題などを幅広く紹介しており、個人的には認知科学の全貌をおおまかにつかむうえで有益な内容でした。
巻末には「参考文献」が置かれていますが、「最近の動向と「この20冊」」というサブタイトルが付されており、どちらかといえばこれまでの認知科学の研究史における重要な文献をとりあげているようで、現時点での研究成果をサーヴェイするような性格のものがすくないような気がします。本書が入門書であることを考えると、やはり「次のステップ」へと進みたい読者にとって手引きとなるような本を紹介してほしかったように思います。 -
人間はどのように世界を認知しているのか興味があり手に取る。
非常に難しく、なんとか読み切ったはいいもののまったく体系的に理解できなかった。笑
前提知識があれば面白いのだろうが、まったくなかったために難しい。
脳はさまざまな相互作用をもっているということしか理解できず自分の理解力の不足を痛感しました。 -
脳科学の研究成果の商用化が加速する今日。そのベースとなる認知科学の概観を歴史に沿って俯瞰できる一冊。
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認知科学とは何か?
それが知りたくて手に取った。
人が考えたり、何かを行うときに、脳のどの部分がどのように指令を出すのか。
脳の働きを正確に測れるようになってきて、徐々に明らかになってきてはいるが、では、心とは何なのだろうか?
心の動きをコンピュータで再現することはできるのだろうか?
認知科学は、心と脳とはどのような関係があるのか、その概念やそれを解き明かす方法論として、情報の概論と情報科学の方法論を用いて心と脳の探求に、新しい道を切り開いてきた学問である。と書かれている。
理解はできていないが、興味がさらに増した。 -
認知科学が発展してきた歴史を学ぶと脳の認知のメカニズムについて常に新しいモデルが提唱されてブラックボックスである脳内のメカニズムが解明されてきたということがわかる。
自分の専門分野である企業投資を行うときに、企業をファイナンシャルモデルとしてとらえて様々なシミュレーションを行うのと類似している。認知科学の場合は、言語学、心理学、解剖学、神経科学、脳科学、等の様々な分野を情報科学が軸となることで、筋を通している。企業の場合は、金融が筋を通す形をとっている。
ただ、脳の場合は、圧倒的に複雑性が高く、様々な領域の知見をもとに(群盲とはいわないが)様々な研究者が「巨大な象をなでる」ようにして解明を図ってきた。
本書のように、非常に広範な資料をベースに書かれた本を読後どう処理するかは大きな論点。ある種の読書案内としてとらえ、今後の参考文献へのつながりを意識するとしてマップをつくるのが一番よいか。 -
正直良く判らなかった。
認知するもの、情報は大事なのは判るが、どこかに有ったこと、経験したことを自分自身の中で反芻すること、そこから想像をめぐらすこと…これが心を育むのではないだろうか?
読みながらそんなことを考えた。 -
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人間とは何か◆認知科学の歩み◆未来へ
著者:安西祐一郎 -
20世紀、情報科学の発達とともに発展した認知科学の成果について、網羅的に説明されている。著者が調べ上げたことが列挙されている感じ。辞書的にはこれでもいいのかもしれないけれど、情報をもう少し整理、編集してくれないと、読み物としてはしんどい。