- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004314387
作品紹介・あらすじ
原発事故後に相次ぐ電気料金の値上げ。「原発が止まり、火力発電の燃料費が増えたから」。この説明は、本当なのだろうか。隠された原発コスト、総括原価方式と地域独占の弊害、経産省と業界の不適切な関係などを一つずつ解き明かし、値上げの裏に潜む問題の"本質"に迫る。朝日新聞の好評連載「教えて!電気料金」を再構成し、大幅加筆。
感想・レビュー・書評
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2022/03/19
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/687495 -
冗長な内容だが、電力関連のやりたい放題な仕組みは良くわかる。全く憤りしか感じない。
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「原発が止まると火力発電に頼らざるを得ないため、燃料費がかさむ」というのがいつも決まって電気料金値上げの際にあげられる理由となっている。しかし、果たしてそれは本当だろうか? その疑問を解き明かすべく、朝日新聞が2012年5月から連載を開始した「教えて!電気料金」の取材をベースに、「総括原価方式」というコストがかさめばかさむほど利益が増える、理不尽かつ信じられないような電気料金の内訳が、丹念にレポートされている。電気料金の値上げに不満をお持ちの方は是非一読を。
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10/15 今まで電気料金や 原発について考えたこともなかった。知識がないところから読んでみると、そういう風になっているのかー、と学べた。
ただ馴染みがない分理解できなかったことも多いので、また読み直そう。 -
電力会社の総括原価方式には確かに問題が多いと思う。コストカットのインセンティヴが全く存在しない上、とにかく利権を膨らますために既成事実を積み重ねる方向にベクトルが向かい易い。この構造にメスを入れる切り札とされる発送電分離方式も、余計な思惑が制度を歪めないよう監視の目を怠るべきではない。
しかし、この本で主張されるように、先行投資がどうしても嵩みがちな電力という公益事業に、私企業と全く同一の競争原理を持ち込んでいいものか。だいたい、エネルギー保存の法則や市場原理からはどうやったって逃れられないのだから、安くて安全な資源がそう簡単に見つかるわけもない。従って、研究開発の一環として核燃料再生産に多額の予算がつぎ込まれたことのみをもって非難するのでは、単なる「フクシマ」後の後知恵との批判を免れないだろう(もちろん、現在のように再生産事業に行き詰まりが見えた状況では見直しをかけるべきだとは思うが、それはまた別の話)。
だいたい、公共性のある事業にも競争原理を持ち込めというなら、この本をまとめた新聞社も当然恩恵に与っているはずの「再販価格維持制度」はどうなのか。これも総括原価方式と同様、本来企業努力によって確保されるべき報酬が、予め競争原理とは無縁の形で再販価格に織り込まれているのではないのか。 -
9/16、大阪に帰る新幹線の中で「定期点検のため一時的に原発稼動0基に」というニュースを見た。その時俺はAKGの10周年記念ライブの帰りで、新幹線の中でフューチャータイムズを読んでいた。
日本であれだけのことが起きたのに原発のことを全然知らない自分に腹が立った。情けなく思えた。
だから手始めに読みました。
知らないのは損じゃなくて罪です。