正岡子規 人生のことば (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
4.00
  • (1)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 48
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004316602

作品紹介・あらすじ

病と闘いながら、短い一生で文学革新をなしとげた正岡子規。畏友夏目漱石には「僕ハモーダメニナツテシマツタ」と弱音をはき、人生行路定まらぬ高浜虚子には「貴兄ニ半椀ノ飯ヲ分タン」と激励する-著作・書簡を読み解きながら彼の人間的魅力を紹介し、そのことばのなかに、私たちが今を生きるヒントを見いだす。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 子規の残した書簡やエッセイから、子規の生き方や考え方、生活のありようがうかがえる記事を紹介した本。
    とりあげられた記事はすべて子規の息遣いが聞こえてくるようで非常に楽しい。
    また子規の記事に沿えらえた著者の文章からは、子規に対する敬愛の念が伝わってきて、読んでいて非常に清々しい。思わず一気読みしてしまった。

    ただし明治に亡くなった子規である。記事のすべてが旧仮名遣いで書かれているのはもちろん、手紙は候文や漢文訓読調のものもあり、慣れていない方は多少読むのに骨が折れるとは思う。
    ただし引用されている記事は短く、またさすが子規だけあって候文体であっても読みやすさを感じさせるので(これは夏目漱石にも同じことがいえる)、そうした意味での入門書としてもおすすめできると思う。

  • 記録

  • 復本先生は現在の子規研究第一人者ですが、この謙虚な文章がたまらなく好きです。もとより佐藤紅緑の子規評から研究の道に入ったそうですが、その初心を貫いている様に思います。
    俳句を極め、日本の文学の一つジャンルとして確立させた偉業を讃える事を目的とした評論はいくらでも今は書かれているけれど、この本はあくまで子規の人柄、人間性のみに寄った物が多く書かれています。
    へえ!と思わせる情報も多いので、机上に常備しておきたい一冊。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1943年愛媛県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。静岡大学人文学部教授、神奈川大学経営学部教授を経て、神奈川大学名誉教授。専門は、近世・近代俳論史。「鬼ヶ城」の俳号で実作も行い、俳句グループ「阿」の会の代表を務める。産経新聞「テーマ川柳」選者。

「2019年 『日本人なら知っておきたい美しい四季の言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

復本一郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×