景観からよむ日本の歴史 (岩波新書 新赤版 1838)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004318385

作品紹介・あらすじ

私たちが日ごろ何気なく目にする景観には、幾層にも歴史が積み重なっている。「景観史」を提唱してきた歴史地理学者が、写真や古地図を手がかりに、景観のなかに人びとの営みの軌跡を探る。古都京都の変遷、古代の地域開発、中世の荘園支配、近世の城下町形成など各地の事例をよみとくその手法は、町歩きや旅の散策にも最適。

感想・レビュー・書評

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  • 景観の変遷から歴史をたどる、というアプローチは実に興味深い。本書中では住所の成り立ちなどにも言及されており、歴史のうねりの中で土地や景観がどう移り変わっていったのかに思いを馳せることができる。
    が、いかんせん収録されている古地図などが小さく、何を書いてあるか判然としない。であるにもかかわらず本文ではその内容を前提として解説される。新書サイズを意識したつくりになっていない点が残念。

  • 景観とは風景とは少し違う。
    風景は個人の心象が中心で、景観は客観的なもの。
    筆者が撮影した日本各地の景観の写真が数多く掲載されていて、いろんなところに旅行した感じになった。
    写真がもっと大きくて、カラーだったら良かった。
    QRコードでそれらの写真にスマホでアクセスできるようになっていたらいいと思った。

  • 「景観からよむ日本の歴史」というタイトルですが、「景観から歴史を見る」「歴史による景観の形成」といった感じの内容でした。取り上げている地点が多いので、一つ一つの記述が薄く感じます。あと、ブラタモリなどで目の前の景色や古地図から過去を想像する能力を磨いた人が増えた今となっては、その内容知ってますという人が多いのではないかと思えます。2020年発売の新刊なんですけど。

  • はじめに

    第一章 景観史へのいざない

    第二章 古地図からよみとく景観史
    1 古地図とは何か
    2 古代の地図ーー土地を管理する
    3 中世の地図ーー境界を認識する
    4 近世の地図ーー町と村を描く
    5 近代初期の地籍図ーーさまざまに土地を利用する

    第三章 景観史の画期を演じた人々とその舞台
    1 古代の開拓者たち
    2 中世・近世初頭の都市を構想した人物
    3 近世の町づくり村づくりの推進者
    4 近代の入植や技術を推進した人々

    第四章 景観からよみとく地域のなりたち
    1 暮らし
    2 いとなみ
    3 町並みと賑わい

    第五章 景観史の資料と考え方
    1 景観史の視点ーー村落景観から考える
    2 絵画資料と景観史

    あとがき
    参考文献
    図版出典一覧

  • ふむ

  • この夏は、帰省も旅行もできなかった。それで、近場の近江八幡ラコリーナを初めて訪れた。お盆だったにもかかわらず、すぐに駐車場に入ることができた。車を降りると、そこはジブリの世界。一面のみどり。遠景には(たぶん)ヴォーリズの建築が見える。もう少し涼しければのんびりできたのだけれど、自然に包まれて心地良いひとときを過ごすことはできた。せっかくの近江八幡。古い町並みも見たかったが、それは次回のお楽しみになった。京都に長く住んではいるが、いわゆる小京都と呼ばれるような街を見て歩きたい。鞆の浦、内子、高岡などなど。それぞれの街はそれぞれの理由があって出来上がってきた。歴史を知った上で訪ねてみるとまた感じ方も違うことだろう。本書について、できれば古地図をもう少し拡大してほしかった。文字がほとんど読めない。写真もカラーであれば良かった。白黒では瓦の色も実感できない。もちろん、定価が上がってしまうことにはなるのだろうが。娘が府立大の環境デザインで、ランドスケープがどうたらこうたら言っている。興味を持つかもと思って購入したが、課題に追われるばかりで、まあ手は出しそうにないなあ。それと、早口言葉を思いついた。「大縮尺・中縮尺・小縮尺」言えるかな?

  • 東2法経図・6F開架:B1/4-3/1838/K

  • <目次>
    第1章  景観史へのいざない
    第2章  古地図からよみとく景観史
    第3章  景観史の画期を演じた人々とその舞台
    第4章  景観からよみとく地域のなりたち
    第5章  景観史の資料と考え方

    <内容>
    第5章にあった、条里制遺構は奈良時代ではなく、少なくとも院政期以降のもの(①律令の条里プラン②国図の条里プラン③荘園の条里プランとあって、現在残っているものはほとんど③)という話には驚いた。また地名の由来についてもこの章には書かれており、多くの小字名は、10世紀、つまり③に近い時期に生まれている、の話も驚いた。
    景観史のイメージは捕らえられたが、従来の郷土史のイメージとは違うだけに、そのギャップをどうするのか、ちょっと考えないと…。

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著者プロフィール

金田章裕:砺波市立砺波散村地域研究所長、京都大学名誉教授。1946年生まれ。京都大学教授、人間文化研究機構長などを経て、2018年より現職。専門は人文地理学。オーストラリア地域研究や日本古代の地理学研究に従事し、多数の著書を刊行(参考文献参照)。近著に、古文書や絵図、地形などから古代の壮大な土地計画の実態を探究した『古代国家の土地計画:条里プランを読み解く』(吉川弘文館、2017年)がある。

「2019年 『BIOCITY ビオシティ 80号 日本の美しいむら再発見! 水系散居村の歴史と景観』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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