スペイン史10講 (岩波新書 新赤版 1896)

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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004318965

作品紹介・あらすじ

キリスト教勢力とイスラーム勢力とが対峙・共存した中世、「太陽の沈まぬ帝国」を築きあげた近世──ヨーロッパとアフリカ、地中海と大西洋という四つの世界が出会う場として、独特な歩みを刻してきたスペイン。芸術・文化・宗教や、多様な地域性に由来する複合的国家形成にも着目して、個性あふれるその通史を描く。

感想・レビュー・書評

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  •  スペインの歴史といっても、レコンキスタ、コロンブスの航海支援と引き続く新大陸との関係、カルロス一世からフェリペ二世のスペイン最盛期時代、それらの時期を除いては詳しく知らなかったので、本書のようなコンパクトな形で概観できることは、大変ありがたい。

     特に、現在でも大きな政治問題であるカタルーニャやバスク地方についての歴史的経緯、カトリックの存在の大きさ、フランコ体制とフランコ以後の政治状況などについて、教えられるところ多かった。

  • ローマ人の侵入。カスティーリアに住んでいたケルト人は抵抗。ケルト人の町ヌマンシアがローマ人に包囲される。※セルバンテス戯曲『ヌマンシアの包囲』▼オクタウィアヌス。BC19。南側から侵入しイベリア半島の全土征服。属州ヒスパニア。→2トラヤヌス(98-117)、初の属州(ヒスパニア)生まれの皇帝。

    王宮都市マディーナ・アッザフラ―(コルドバ近郊)。アブド=アッラフマーン3。後ウマイヤ。▼ジェノヴァ人。ナスル朝に居留。ナスル朝のサトウキビ・果実・絹織物を買って、伊やフランドルで売る。フランドルやイングランドで毛織物を買い、東地中海の香辛料を買い、マグリブで金や黒人奴隷を買い、ナスル朝に売る。レコンキスタにより、ナスル朝グラナダには、コルドバやセビーリャから多くのイスラム教徒が移住していた。

    レコンキスタ。主導したカスティーリャの王たちは「自分は西ゴートの血筋を継承した者」と称した。▼トレド(昔の西ゴートの都)。イスラーム諸学の中心都市。キリスト教徒がイスラム教徒から取り戻す(1085)。アラビア語文献がスペイン語に翻訳され、スペイン語からラテン語に翻訳された。イブン・シーナーの医学書、アラビア語で遺されていたアリストテレスやエウクレイデスの古典。12世紀ルネサンス。▼イスラーム王朝下で庇護民として暮らしていたユダヤ人は、レコンキスタ(キリスト教化)により略奪・追放された。

  • イベリア半島への人類の進出からフランコ政権後の現国家スペインの今日迄を概説した新書。
    スペインには関心があったが、自分が世界史ひいてはヨーロッパ史に詳しくないこともあり、網羅性を感じる一方かなり駆け足にも感じた。やはり一国の歴史を学ぶには一冊では足りないな。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000054312

  • 東2法経図・6F開架:B1/4-3/1896/K

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著者プロフィール

東京外国語大学名誉教授(前学長)
専攻:スペイン近代史、スペイン地域研究
主な著書・訳書:『スペイン史10講』(岩波書店、2021年)、『歴史のなかのカタルーニャ』(山川出版社、2020年)、『フェリペ2世』(山川出版社)、『スペイン帝国と複合君主政』(昭和堂、2018年)、『概説近代スペイン文化史』(編著、ミネルヴァ書房、2015年)、『カタルーニャを知るための50章』(共編著、明石書店、2013年)、『アンダルシアを知るための53章』(共編著、明石書店、2012年)、『世界の食文化14 スペイン』(農文協、2007年)、『スペインにおける国家と地域――ナショナリズムの相克』(共編著、国際書院、2002年)、『世界歴史大系 スペイン史1・2』(共編著、山川出版社、2008年)、『スペイン・ポルトガル史』(編著、山川出版社、2000年)、『国民国家と市民――包摂と排除の諸相』(共編著、山川出版社、2009年)、『国民国家と帝国――ヨーロッパ諸国民の創造』(共編著、山川出版社、2005年)、『フランス革命とヨーロッパ近代』(共編著、同文舘出版、1996年)、クリシャン・クマー『帝国――その世界史的考察』(共訳、岩波書店、2024年)、J・H・エリオット『歴史ができるまで』(共訳、岩波書店、2017年)、J・アロステギ・サンチェスほか『スペインの歴史――スペイン高校歴史教科書』(監訳、明石書店、2014年)、ヘンリー・ケイメン『スペインの黄金時代』(岩波書店、2009年)、アントニオ・ドミンゲス・オルティス『スペイン 三千年の歴史』(昭和堂、2006年)、リチャード・ケーガン『夢と異端審問――16世紀スペインの一女性』(松籟社、1994年)など。

「2024年 『スペインの歴史都市を旅する48章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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