知っておきたい地球科学 ビッグバンから大地変動まで (岩波新書 新赤版 1950)

著者 :
  • 岩波書店
4.11
  • (9)
  • (14)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 188
感想 : 24
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004319504

作品紹介・あらすじ

宇宙や生命はどうやって生まれたのか。地球のエネルギー資源はどう作られているのか。気候変動や災害の原因は何か。ミクロからマクロまで、地球に関わるあらゆる事象を丸ごと科学する学問=地球科学は、未来を生きるための大切な知恵を教えてくれる。大人の学び直しにも最適な知的刺激に満ちた一冊。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 地球科学の基礎から最新の話題まで短い文章で的確にまとまっており、この一冊で自然関係の話題には十分です。長尺の目の考え方や自然を畏怖する気持ちに気付かされます。
    今は地学を高校で学ぶ生徒は1割以下とのこと。著者か嘆く理由もわかります。地震国火山国の日本で信じがたいですね。
    それでいてやれ温暖化だ、防災だなどと片腹痛いも甚だしい限り。高校での地学教育の復権を期待したいですね。
    この本を手にとって地球科学の素晴らしさにはまってほしいものです。

  • いやあ、もうとにかく地震がこわい。と言いつつも何の準備もしていないわけだけれど。鎌田先生の本を読んでいると、とにかく大地震と富士山の噴火、これに尽きる。もう歴史を見る限り、間違いなくここから10年ほどの間に起きる。地震はどこで起こってもおかしくないわけで、東京に住もうとは思わないけれど、京都なら安心というわけでもない。関東はこのところ地震が頻繁に起こっているようだから慣れっこになってしまっているのではないだろうか。小さく何回もエネルギーを放出していると大きいのが来ないような気もするのだが、それはどうなんだろう。震度7、これは本当に恐ろしい。たまたま本日、自治体の防災訓練があって、町内の役が当たっていることもあり、それに参加した。そして、震度7を体験してきたのだ。6弱は大したことはなかった。でも7はいかん。家がつぶれなかったとしても、食器棚、本棚、箪笥などすべて壊滅状態だろうなあ。いつ起こるかもわからないわけで、まあどうしようもないと言えばどうしようもない。被害を軽減することはできるのだろうけれど。それに比べると地球温暖化はどうってこともない。騒いでいる人たちは、何らかの形で儲かるんだろうなあなんて邪推してしまう。どちらかと言うと、今後、地球が冷えていく方がこわいように思う。「長尺の目」が必要なわけだ。

  • 岩波新書には、社会科学分野のほうではニュートラルな立ち位置とは言いがたいものが時々あるが、科学分野(原子力関連を除く)は、そのまま大学1,2年のテキストとして使えそうな良い本が多そうだ。この鎌田せんせいの「地学」も、この分野の「教養」に値する絶妙な広さと深さで、880円という価格にまとめている。
    ただし、火山と災害という部分のフォーカスは、やや深い。

  • 地球科学の事象を理解するためには、「過去は未来を解く鍵」ということと「長尺の目」を持つことが大切だとわかりました。
    過去に起きた現象を調べるとたくさんの有益な情報が得られ、現在の状態を正しく理解できて、未来を予測することが可能になります。
    長尺の目というのは、地球科学の分析対象の事象は百年、千年、万年、百年万年単位で起きる事象もあるので、日常生活の時間の感覚とは違う視点が求められるということです。
    この本の中でいちばん心に残ったのは、2030年代には南海トラフ地震が必ず起きると断言されていることです。
    今から、備えをしていないといけないと思いました。

  • 【請求記号:450 カ】

  • 地球、環境、気象、資源、エネルギー、地震、津波、噴火について具体的な事例をベースに丁寧が解説が展開されている好著だ.温暖化現象の捉え方で、長い時間を踏まえた考察が重要だとの指摘は素晴らしいと感じた.レアメタルに関する考察も面白く、埋蔵量の算出のカラクリが理解できた.地震については南海トラフ巨大地震が2035±5年で発生するとの指摘は重要だと思う.盛り沢山の内容であり、身近に置いて随時目を通すべきだ.

  •  いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。
     著者の鎌田浩毅さんの本は今までにも何冊か読んでいますが、ちょっと規格外的な鎌田さんの雰囲気に惹かれてこの本にもトライしてみました。
     理科系科目としてはかなりマイナーな「地学」の入門書ですが、“地学”というジャンルで扱われるテーマや現象が、私たちの今の「日常生活」にとても身近なものとして影響を与えている実態がとてもよく分かりました。
     鎌田さんの解説も素人分かりする丁寧なもので多くの気づきが得られた有益な著作でしたね。

  • 地球の現象は構成要素を足し合わせれば理解できるものではない。マクロで見る目が必要。デカルトの近代科学の基礎(要素還元主義)とは異なる。
    宇宙のダークマターは23%の質量をもっている。実際に見える者は4%、残りの73%はダークエネルギーではないか。

    いて座スターAに太陽の400万倍のブラックホールがある。銀河の中心。
    太陽の10倍以上の星は、超新星爆発のあと中性子性になる。30倍以上の星はブラックホールになる。太陽は白色矮星となって寿命を終える。

    太陽の重力を受けるのは、1万天文単位。地球から太陽までの距離が1天文単位=AU。海王星までは30AU。
    地球型惑星と木星型惑星。
    公転と時点は同じ向き。
    冥王星は準惑星になった。数多くの準惑星がある。
    月は、地球に見せる側には重い物質があるため、引力にひかれて地球に向いている。
    p24

  • 高校で地学を選択しなかったので、地学の学び直しにぴったりな一冊でした。

    〈目次〉
    第1章 地球・生命
    第2章 環境・気象
    第3章 資源・エネルギー
    第4章 地震・津波、噴火

全24件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

鎌田 浩毅(かまた・ひろき)
1955年東京生まれ。筑波大学附属駒場中・高等学校卒業。東京大学理学部地学科卒業。通産省、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を経て、現在京都大学レジリエンス実践ユニット特任教授・同名誉教授。専門は火山学、地球科学、科学教育。「京大人気No.1教授」の「科学の伝道師」。著書は『新版 一生モノの勉強法』『座右の古典』(ちくま文庫)、『やりなおし高校地学』(ちくま新書)、『地学のツボ』(ちくまプリマー新書)など。

「2021年 『100年無敵の勉強法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鎌田浩毅の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×