- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004319993
作品紹介・あらすじ
昔から広く日本人に愛され、今では健康食として世界を席巻しつつある豆腐。それはいつ、どこで誕生し、日本でどう受容されてきたのか。料理法や派生食品も含めて考察、さらに風土に根ざした様々な豆腐を日本各地にたずね、不思議な白い食べ物の魅力をトータルに描き出す。食文化研究の第一人者による渾身の書下ろし。
感想・レビュー・書評
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大豆タンパク質の摂取方法として優れているという豆腐につい様々な面から語られている。豆腐の起源は中国にあることは間違い無いが、その時期、場所は文献からは確かめられないらしい。日本への伝来も詳しく分かっていない。日本での豆腐の受容と拡散の歴史が江戸時代の豆腐料理書「豆腐百珍」の詳しい紹介を交えて語られている。江戸時代は豆腐料理のピークだったようだ。明治以降の豆腐の歴史も製法の変遷も含めて詳しく語られている。著者の正確な豆腐製造に関する知識により記述が安定している。江戸時代の労働集約的な製造から明治以降に製法の機械化、動力化が進んだというのは興味深い。少し前までに標準であった家族経営が可能で有ったのが理解できた。豆腐の海外での展開が著しいようなので、次は豆腐の文化史が世界史として語られるかもしれない。
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冒頭に中国での豆腐の登場及び東アジアへの伝播の記述があるが、後は琉球王国を含む日本の文化史。章ごとに内容があちこち飛ぶものの、題材が題材だけに柔らかく読める。
著者の推定では、中国での出現は漢代、宋代には一般に広まっていた。日本には12世紀末に伝来、中世には食されるが、一般庶民まで広まるのは近世の江戸期。黄表紙はじめ庶民文化に現れる豆腐の記述は読んで楽しい。『豆腐百珍』には著者は丸々一章割いている。また、生呉豆腐をはじめ日本各地の特徴的な豆腐は知らないものが大半で、バリエーション豊富だ。
近代では、戦時体制下で軍用機用ジュラルミン製造のあおりでニガリ入手が困難に。こんなところにも影響があったとは。
琉球には中国から伝来するが、六条豆腐がルクジューと呼ばれるように日本からの影響も。戦後、本土の食品衛生法次いで国際基準の適用に伴い「アチコーコ」の伝統が危機に。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/803350 -
【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
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豆腐は、スーパーに行くと安く手に入る。
それでいて栄養があるので、財布にも身体にもやさしい食品。
そんな豆腐は大豆からできている。
大豆は、中国北部から朝鮮半島さらに日本に自生するツルマメ原種で、東アジア原産であることは、ほぼ疑いないが、起源地については諸説あるそうだ。
近年の日本考古学において、土器に残された痕跡から分かることがある。
土器に残された穀類や豆類のレプリカ法を用いる圧痕研究が進んだことにより、1万年以上も前の縄文創成期の遺跡からツルマメの圧痕を発見できるようになった。
豆腐が日本の史料に登場するのは、1183年のの「中臣祐重記」だった。
この資料は、春日大社の祀官の長で、初代若宮神主を務めた中臣祐房の三男の日記だった。
豆腐は平安時代から鎌倉初期には、僧侶や貴族のような人々の食べ物だったが鎌倉後期になると、日蓮信者の在地武士にまで普及したそうだ。
しかし、庶民にまで普及するには時間がかかった。
江戸時代になると庶民も買って食べるようになった。
江戸時代には、娯楽にも豆腐が登場する。
「豆腐小僧」という妖怪が創案された。
今でいうところのゆるキャラだな。
こんな妖怪を作り出すとは、豆腐が身近な存在なんだなと実感できる。
今ではヘルシーだとして海外でも人気が出ている。
これから豆腐がどうなっていくか気になる。 -
京都府立大学附属図書館OPAC↓
https://opacs.pref.kyoto.lg.jp/opac/volume/1280570?locate=ja&target=l? -
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https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01425933