- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004320067
感想・レビュー・書評
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読み応えあり。百人一首って、てっきり定家が小倉山荘に襖絵の和歌として選んだものだと思っていたが、誤り。定家が編んだのは、百人秀歌なのであって、しかもクライアントの蓮生や和歌の初学者のために編纂されたらしい。実際に襖に貼られた絵付きの和歌は百首はなく、しかも小倉山荘ではない。
百人一首受容の始まりは、定家時代より約200年後、定家が没してから120年後に頓阿が実しやかに、冒頭の百人一首成立事情を唱え、更に連歌師宗祗より、流布。そこから百数十年、江戸時代に階層を越えて広がり今に至る。
百人一首は、誰が作ったのだろう?
幕府に遠慮する必要のない人あるいは、その必要がなくなった時代、99.100の後鳥羽上皇、順徳天皇父子を入れ、百人秀歌とはまた別の編纂意図による、和歌のアンソロジーになった気がする。 -
東2法経図・6F開架:B1/4-3/2006/K
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p.2024/3/8
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謎の多い百人一首。撰者は本当に藤原定家なのか。定家撰の百人秀歌とはどういう関係か。撰歌や配列に意味はあるのか。今も愛されるアンソロジーの成立と受容史を解き明かす。
「小倉山荘に飾るため定家が選び色紙に書いた」という話は伝説である、という指摘は目から鱗。原型となった百人秀歌は、定家が縁戚である幕府の御家人・宇都宮頼綱に贈ったものだった。そこに手を加え、承久の乱で敗れた後鳥羽・順徳両上皇の歌を末尾に入れたのは後世の誰か。だがその改変こそがドラマ性を生み、時代を超える輝きを与えた。長年の疑問が解けると同時に、ますます百人一首が好きになった。 -
【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/571908 -
『百人一首の現在』(青簡舎)所収の論文群を一般向けに書き下ろした本。だけど『〜現在』では頓阿編纂説まで踏み込んでるのにそこははっきりとは書いてないんですね。なんで? おもしろい詠み人の官位表記の指摘についてもさらっとだけ。