まねが育むヒトの心 (岩波ジュニア新書)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005007288

作品紹介・あらすじ

心はいつ生まれ、どのように育つのでしょうか。サルやチンパンジーとヒトの赤ちゃんの発達をくらべると、ヒトらしい心が成り立ってきた道すじがみえてきます。赤ちゃんがみせる「まね」と「共感」をキーワードに、ヒトらしい心の誕生の謎にせまります。

感想・レビュー・書評

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  • 人間の心のはたらきの特徴は、自分だけでなく他者の視点をも通して世界を理解しようとすること。人間の心が生まれてくる道すじに焦点をあて、最新の研究成果を交えながら、人間の心について考えることのおもしろさを伝える。【「TRC MARC」の商品解説】

    関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40177723

  • 著者:明和政子
    イラスト:川野郁代
    通し番号:ジュニア新書 728
    ジャンル:数学・物理・天文・地学
    刊行日:2012/11/20
    ISBN:9784005007288
    Cコード:0211
    体裁:並製 ・ カバー ・ 254頁
    在庫 品切れ

    心はいつ生まれ,どのように育つのでしょうか.サルやチンパンジーとヒトの赤ちゃんの発達をくらべると,ヒトらしい心が成り立ってきた道すじがみえてきます.相手の気持ちをくみとったり,「おせっかい」に関わろうとするのはヒトだけです.それはなぜか.赤ちゃんがみせる「まね」と「共感」をキーワードに,その謎にせまります.

    ■内容紹介
     心っていったい何なのだろうと,ふと不思議に思ったことはありませんか?
     例えばわたしたち人間の心はいつ生まれて(胎児のときなのか,生まれ落ちた瞬間か,はたまた幼児期なのか),そしてどのように育つのでしょうか.だいいち,心なんて,どうやって調べるんだ!?と思った人は,ぜひこの本を読んでみてください.
     この本では,サルやチンパンジーとヒトの赤ちゃんの育ち方(発達)をくらべることで,ヒトらしい心が成り立ってきた道すじをたどってゆきます.
     著者の明和先生いわく,実は,「サルは猿真似をしない」のだとか! 相手の表情や行為をまねしたり,気持ちをくみとったり,「おせっかい」に関わろうとするのはヒトだけなのです.それはなぜでしょうか……赤ちゃんがみせる「まね」と「共感」をキーワードに,ヒトの心の謎にせまります.
    https://www.iwanami.co.jp/book/b223766.html


    【目次】
    はじめに iii-viii
    目次 ix-xiv

    第1章 心が生まれる道すじ 001
    1.心について研究する 002
    2.ヒトの心が成り立つ道すじ 006
    3.言語に頼らずに心を研究する方法 025
    4.ヒトの心が生まれる道すじ――四つの基本的事実 035

    第2章 共鳴する心 037
    1.「賢い」赤ちゃん 039
    2.比較認知発達科学が解き明かしたこと 052
    3.二カ月目に起こる心の変化 067

    第3章 誕生前の心 079
    1.胎内の記憶 081
    2.胎児期の発達 088
    3.感情の起源 110
    4.心の起源の新たな解明をめざして 120

    第4章 他者と重ねる心 129
    1.他者の行為を理解する 131
    2.行為を共有する――まねの始まり 142

    第5章 他者と向き合う心 165
    1.ヒトらしい心の発達 166
    2.ヒト特有の心のはたらきと言語 179
    3.ヒトらしい心が育つ条件 192

    第6章 みなで育てる心 201
    1.ヒトの子育ての生物学的基盤 203
    2.ともに子育てするための条件 212
    3.みなで育てる心に必要なもの 219

    あとがき(二〇一二年 夏の終わりに 明和政子) 233-236
    参考文献 1-4

  • 4章5章6章とヒトの赤ちゃんの独自性について実証研究を引いて語る。この部分が良かった。ここを理解化するためには前半部分で実験方法を理解しておく必要がある。
    単純に人間ってすごいなと思える。乳幼児の発達に関する授業で幾つか紹介してみよう。

  •  サルやチンパンジーとヒトの赤ちゃんの発達を較べ、ヒトらしい心が育まれていく様子を分かり易く解説した本。子ども向けの本だが、妊娠中や子育て中の父母にぜひ読んでもらいたい本。
     日々の子育ての一つ一つの意味、大切さが分かる。
     PCに仕事をさせるには、PCを用意し、BIOSを組み込む。そしてOSをInstallし更に必要なApplicationをInstallする。必要なDATAを入力するとApplicationが演算する。仕事の変化に応じて随時BIOS,OS,Applicationをバージョンアップしていく。
     ところが、人間は胎児のときから、母親とのコミュニケーションを通して知覚、言語を習得し、BIOS,OS,Applicationはいとも容易に滑らかにバー上アップされていく。
     この違いは何だろうか。
     大人にとっては、改めて子育ての大切さ、素晴らしさを再認識させられる本だ。「ジュニア新書」だが、子どもだけに読ませるのは、少々勿体ない。

  • ヒトの心はいつ生まれて、どのように育つのか。
    現時点で解明されている実験結果を数多く紹介。
    ヒトの学習は胎児期から始まっている!

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著者プロフィール

京都大学教育学部卒。同大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。京都大学霊長類研究所研究員、京都大学大学院教育学研究科准教授を経て、現在,同大学院教授。専門は比較認知発達科学。主な著書に『まねが育むヒトの心』(岩波ジュニア新書)『なぜ「まね」をするのか』(河出書房新社)『心が芽ばえるとき――コミュニケーションの誕生と進化』(NTT出版)などがある。

「2019年 『ヒトの発達の謎を解く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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