30代記者たちが出会った戦争――激戦地を歩く (岩波ジュニア新書)

制作 : 共同通信社会部 
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005008360

作品紹介・あらすじ

戦後70年を機に先の戦争を振り返り、ガダルカナル、インパールなどで過酷な戦闘に加わった日本兵の証言を30代の若手記者8人が取材。兵士らがどんな状況におかれ、何をし、どのようにして生き延びてきたのか。現地の様子や記者自身の思いも織り込み、戦地の実相を明らかにする。忘れてはならない記憶として心に深く刻まれる。

感想・レビュー・書評

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  • 第二次世界大戦の本を手に取るたびに思うことがあります。それは、圧倒的な量の出版物があるのに自分はその一割どころか、多分1%ほども読んでないのではないか?戦争体験者の世代の方からもほんの少ししか話を聞いていない自分はこの本の30代の記者の方々が感じた焦りのような感覚を共有できた気がしています。戦争を『こう解釈すべきだ』という答えを求めるのではなく、自分なりの解釈を自分のペースで探し続けることしかできないということを思い知らされます。

  • 東2法経図・6F開架 210.74A/Ky2s//K

  • 戦争を知らない世代が、聞く戦争の話。いろいろな切り口がある。

  • 岩波だし、共同通信社だし、目次を見ると飢餓、玉砕、ゲリラ討伐、慰安婦と、右翼が見たら激怒しそうな章が並んでるから、対象は中高生なのに大丈夫か?とちょっと心配しながら読んだ。
    が、イメージよりずっと、右翼的な思想を持つ人や、感受性の強い(残酷な事実を突き付けられることに耐えられない)若者を考慮して書かれていることがわかる。
    もちろん、斎藤美奈子が言ってたように政治的に中立ということはあり得ず、書き手のスタンスは左寄りなのだが、右翼的な思想を持つ人の心に沿いつつ、戦後の世界情勢や社会の意識の変化をきちんと分かりやすく解説している。
    おすすめ文献に『ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論』を入れるくらい。
    ただ、今の若者はそれすら読まず、ネットの情報だけで右翼になっている者が多く、そういう若者は新聞読まないし(「朝日新聞はウソばかり書くから嫌い」って言うのもネットで仕入れている)、岩波ジュニア新書ももちろん読まないので、何書いても空しいという気もしなくもないが。
    とにかく、予想した以上に残酷な描写は押さえてあるので、見た目にビビらず、大人は堂々と手渡して大丈夫。

    東條英機の「敵機は精神力で落とす。」って言葉(P48)には、頭大丈夫?と思うけど、こういう人をトップに立たせた国民にも責任はあると思う。

    ただ、「はじめに」「序章」「終章」そして巻末の「デスクノート」。
    内容はとてもいいし、文章もうまいけど、これを書いたのは、タイトルの「30代記者」ではない。1967年生まれの記者。
    じゃあ、結局、50に近いこの上司(あるいは先輩)の指揮で、その人物の意図のもとに、比較的若い記者が命じられて、取材して書いたってことか?なのに中高生に売るため「おじいさんおばあさんやおじさんおばさんが書いてるんじゃないよ、君たちに近い若い記者が書いてるんだよ」とタイトルで前面に出したのでは?(中高生にとっては30代もおじさん、あるいはおばさんであるという事実は、年配の者ほど忘れがちである。)
    と、そこのとこに気づいてしまうと鼻白むのだが、そんなこと思うのは心が汚れちまったおばさんだからだろう。本物の若者は思うまい。多分。

    誰しも「醜い自画像」は見たくない、という言葉には説得力があると思う。
    中高生に読んでほしい、良い本です。

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