世界が広がる英文読解 (岩波ジュニア新書 971)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005009718

作品紹介・あらすじ

せっかく英語を勉強するのなら、「読みたい英語」を読んでみませんか? 英語が苦手な人も得意な人も、誰でも楽しく英文を読む方法、教えます。読解の基礎になる文法のポイントをしっかり理解して、多彩なテーマの例文で練習しましょう。勉強法のアドバイスやブックガイドも満載。英語力不問、この1冊からはじめよう!

感想・レビュー・書評

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  • 【まとめ】
    0 まえがき
    皆さんは「読みたい英語」を読んだことがありますか。
    皆さんは教科書やテストなどで「与えられた英語」だけを読んでいませんか。

    「そう言われてみるとそうだ」「自分が読みたいものを英語で読もうなんて考えたこともなかった」と答えてくれる人が大半です。教室にいる全員が「読みたい英語」を読んだことがないケースも少なくありません。

    本来「読書」とは主体的なもの、つまり、自分が読みたいもの学びたいもの興味があるものを自らの判断で選んで読むべきものだと私は考えています。皆さんは日本語で書かれた文章なら、このような主体的な読書をしていますよね。いまこの本を読んでくれているのも、表紙やタイトルが気になって自発的に手に取ってくれたからではないでしょうか。
    このような読書スタイルを日本語と同様に、英語でも実践してもらいたいというのが私の願いです。せっかく英語を勉強するのなら、「与えられた英語」「読まされる英語」だけでなく、自分の意思で能動的に選んだ「読みたい英語」を読んでみませんか。


    1 英語に興味をもってみよう
    ●好きな漫画の英語版を読んでみて、日本語版とくらべる。
    →対訳をすぐ読んでもOK。DeepL翻訳にかけ、元の文と読み比べるのもOK。「どうしてそのように訳しているのか」を考えるのも立派な勉強法だ。

    ●Wikipediaの日本語版を読んだ後、英語版を読み比べてみる。(ただし、両者は翻訳ではなく独立して編集・執筆しているため、全く同じ内容が載っているわけではない)
    英語の基礎的な語850語と、スペシャル・イングリッシュを基本とした1500語の語彙を用いて執筆された「シンプル英語版Wikipedia」を読んでみる。


    2 まずは文法から
    ●英語学習の基礎は文法と単語。まずは「読める」ことを目標に語彙と文法・語順を学んでいくこと。

    ●主語―述語の関係を捉える。主語を見つけて「は/が」を付けて読むのが英文読解の第一歩である。
    ※原則として、文の最初に登場する、前置詞がついていない名詞が主語。

    ●修飾語を見る。修飾語には形容詞(名詞を修飾するもの)と副詞(名詞以外を修飾するもの)の2つがある。
    ・形容詞は、1語なら名詞の前、2語以上なら名詞の後ろに来る。
    ① the (cute) dog かわいい犬
    ② the dog (under the tree) 木の下の犬
    ・前置詞+副詞は、文脈によって形容詞のはたらきも副詞のはたらきもする。

    ●述語は、基本的には主語のすぐ後ろにあるが、間に修飾語が入ると離れることがある。
    まず主語―動詞を把握し、得た情報に対して(何なの?)(誰を?)(どのように?)などと疑問を抱きながら読む。

    ●英語力を上げたい場合は「複文」がおすすめ。複文とは例文をノートに書写し、日本語に訳して答え合わせをし、日本語訳を見て元の英文を復元すること。


    3 5つの文型
    第1文型 SV SはVする
    第2文型 SVC SはCである/Cになる
    第3文型 SVO SはOをVする
    第4文型 SVO1O2 SはO1にO2をVする
    第5文型 SVOC SはOをCにする/SはOをCだと思う

    名詞→主語(S)か目的語(O)か補語(C)になる
    形容詞→名詞を修飾するか補語(C)になる
    副詞→名詞以外を修飾(SやOやCにはならない)

    ・第4文型 SVO1O2 の代表的な動詞
    give O1O2「O1にO2を与える」
    lend O1O2「O1にO2を貸す」
    send O1O2「O1にO2を送る」
    show O1O2「O1にO2を見せる」
    teach O1O2「O1にO2を教える」
    tell O1O2「O1にO2を伝える、話す」

    ・第5文型 SVOC の代表的な動詞
    make OC「OをCにする」
    keep OC「OをCにしておく」
    leave OC「OをCのままにしておく」
    call OC「OをCと呼ぶ」
    name OC「OをCと名付ける」
    consider OC「OをCだと思う」
    find OC「OをCだと思う」

    ・第5文型SVOCのC に to do が来る代表的な動詞
    expect O + to do「Oが…するだろうと思う」
    want O + to do「Oが…することを望む」
    advise O + to do「Oに…するように助言する」
    allow O + to do「Oに…するのを許可する」
    ask O + to do「Oに…するよう頼む」
    encourage O + to do「Oに…するように勧める」
    cause O + to do「Oに…させる」
    enable O + to do「Oが…するのを可能にする」
    tell O + to do「Oに…するように、命じる」

    ・第5文型SVOCのCに過去分詞が来る代表的な表現
    have O + 過去分詞「Oを…してもらう、される」
    see O + 過去分詞「Oが…されるのを見る」
    hear O + 過去分詞「Oが…されるのを聞く」
    make oneself understood「自分の意思を伝える」
    make oneself heard「自分の声を聞かせる」

    make、let、have…使役動詞。それぞれ、〇〇させる(強制)、〇〇させてやる(許可)、〇〇させる、してもらう(指示、説得)

  • ふむ

  • 点検読書I 積んでる著者の英語の本をやらないとなぁ。と思いを新たにした。

  • これだけ英語が必須だと思われる中、私自身はどうしても英語、特にリスニング・スピーキングに苦手意識がありました。これらができなきゃダメなのか・・・とも思っていたのですが、本書の中で「世間的には「英語は話せないと意味がない!」という風潮がありますが、これに私はまったく同意できません」「私は、そもそも日本語でも「話す」よりも「読む」ほうが好きな人間です。今の世の中は、なぜか英語を「話す」ことばかりが重視されて、「読む」が下に見られているような気がします。そもそも、ひとつの言語を学ぶとき、「読む」「書く」「聞く」「話す」に上下関係はないはずです」(いずれもエピローグより)と述べられていて、とても勇気づけられました。あぁ、まずは徹底的に「読む」を鍛えたって良いんだ!と。
    特に最後のブックガイドがありがたかった。今後の勉強のためにメモメモ。

  • ○新書で「学校生活」を読む⑨

    田中健一『世界が広がる英文読解』(岩波ジュニア新書、2023年)

    ・分 野:「学校生活」×「行事を読む」
    ・目 次:
     プロローグ
     第1章 英語力不問!誰でも「読みたい英語」を楽しめる方法
     第2章 「世界」が広がる英文読解法 入門編
     第3章 「世界」が広がる英文読解法 基礎編
     第4章 「読みたい英語」で「世界」がどんどん広がる!そして、その先へ
     「世界」が広がるブックガイド
     エピローグ

    ・総 評
     本書は、英語を「読む」際に必要となるルールや、その学び方について紹介した本です。著者は駿台予備学校の英語科講師で、毎年多くの受験生を指導している人物です。
     最近の英語教育では、4技能の中でも“話す”・“聞く”が重視されがちですが、著者は「話せる相手は有限」なのに対して「読む対象はほぼ無限」であり、さらに「その対象には時代を超えて出会うこと」もできるとして、英語を“読む”ことを重視します。そして「あらゆる語学の基礎は文法と単語」だとして、特に文法の学び方を紹介しています。この本を読んで面白いと思った点を、以下の3点にまとめます。
     
    【POINT①】まずは「読みたい英語」で勉強しよう!
     英語を読む際に、重要なのは「読みたい英語」に取り組むことです。例えば、好きな漫画の英語版があれば、日本語版と読み比べてみましょう。この方法なら、単語や文法の知識が欠けていても何となく読み進めていけるはずです。実際、両者を比べると、少し意外な英訳が付されていることもあって面白いです(例えば『鬼滅の刃』の煉獄杏寿郎のセリフ「よもやよもやだ」はどう訳されているか分かりますか?)。その他にも、シンプル英語版ウィキペディア(通常の英語版ウィキペディアよりも短い文・簡単な単語・文法を用いたサイト)を利用し、興味を持っているテーマを調べてみることも著者はオススメしています。

    【POINT②】英語のルール=文法を「暗記」しよう!
     本書では、英文読解に必要な「ルール(=文法)」が紹介されており、それを「暗記」することを推奨しています。例えば「文章を理解する第一歩は、一文一文の[主語-述語]を把握すること」ですが、文章中のどの語句が「主語」になるのでしょうか?その答えは「最初に登場する前置詞が付いていない名詞[代名詞]が主語」です。一見すると難しそうに思えるかも知れませんが、著者は「英語が苦手な人の大半は、こうした覚えるべきルールを覚えていません」として「逆に言うと、覚えるべきことを覚えればいっぺんに得意になる可能性があります」と指摘しています。

    【POINT③】英文読解の「便利で強力な道具」=「5文型」をマスターしよう!
     著者が「暗記」すべきルールとして、最も重視しているのが「5文型」です。どんな文章でも「文型が決まり、使われている単語の意味がわかれば、あとは「基本訳」にそれを流し込めば、正確な日本語訳ができる」として、まずは、それぞれの文型の「基本訳」を暗記するよう求めています。そのために、本書には数多くの例題が載っており、実際に手を動かしてルールの理解を深めることができます。まだ「5文型」は少しハードルが高いという人は、第4章で紹介されている「意味順」という方法もあります。とにかく、英文を前に何をしていいのか分からなくなってしまう人こそ、文章の形(枠)を意識してみましょう。

     著者は「英語は英語のまま理解しよう」という考えには「反対」で、私たちには「日本語という慣れ親しんだ強力な「武器」があるのですから、英文の意味を考える際に、それをあえて封印するのは非効率」だと指摘しています。確かに、本書で紹介されている勉強法は「まずルールを暗記する」「英文を文型(枠)にはめて読む」といった点で、最近の英語教育とはやや異なるアプローチを採っていると感じるかも知れません(私自身は、むしろ懐かしい感じがしますが...)。ただ、特に英語が苦手な人にとっては、やるべき/覚えるべきルール・手順がはっきりしている方が作業に取り組みやすいかも知れません。その意味では、むしろ英語が苦手な生徒に是非手に取ってほしい一冊です。
    (1482字)

  • p.2023/7/22

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/566409

  • 背ラベル:837.5-タ

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著者プロフィール

田中健一 監修
弁護士(東京弁護士会所属)
弁護士法人ゆかり法律事務所代表
神戸大学法学部卒業、関西大学法科大学院修了。企業内弁護士、法律事務所を経て、弁護士法人ゆかり法律事務所を設立。労働・雇用、借金・債務整理などの問題に精力的に取り組んでいる。

「2020年 『コロナのお金110番 会社と個人のお金、コロナからこうやって守れ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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