- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006000721
感想・レビュー・書評
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文化大革命が起きた十年間は、中国全土を巻き込むほど、熾烈な派閥闘争が繰り広げられた。これほど強烈で、血みどろな政治闘争はないだろう。上巻では、文化大革命の発端から劉少奇の最期までを解説する。
大躍進政策の失策で、毛沢東は失脚することとなり、代わって劉少奇が国家主席として就任する。
しかし、その後、ソ連との対立や、毛沢東と劉少奇それぞれの路線の食い違いなどを理由に、毛沢東や江青含む四人組たちの大衆を煽動しようと仕向けた。これらの要因が絡まって文化大革命を引き起こした。毛沢東は、自身の個人崇拝を高めるように、自身の思想に共感する紅衛兵を率いたり、劉少奇、鄧小平を中心とした派閥を批判した。権力を取り戻すために、相手を徹底的に叩きのめして、毛沢東が権力を奪い取ろうとする様は恐ろしい。
その一方で、毛沢東の大衆の手懐け方も優れていることも本書を読んで実感した。自分たちの仲間を介して、政敵となる者を着実に潰しながら、大衆を味方につける。さすが戦術に優れた人物であってうまい。
本書を最後まで読むと、劉少奇がいかに悲惨な最期を遂げたかを文章を読むと想像できる。これほど惨たらしい仕打ちを受けた人物はいないだろう。これに続く中巻では、林彪がいかにして毛沢東に近い存在となれたのか、その要因を知ることができる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『ぼくらの頭脳の鍛え方』
文庫&新書百冊(立花隆選)120
現代史 -
これは全部で上・中・下巻の三冊である。内容は惨たらしく幼稚で狭量で悲しくて浅ましい人が書かれている。誰かを重点に書かれてはいない。主として多くの幹部の行動やある程度の思考回路、大学生の暴走具合、市民の動き、毛沢東への崇拝。暗い気分にさせてくれるが、止まる選択肢はなかった。