江戸の食生活 (岩波現代文庫 学術 212)

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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006002121

作品紹介・あらすじ

大都市江戸では食べ物商売が大繁盛。一大マーケットはどのように成り立っていたのだろう。また、武士の日記や将軍家の記録から日々の献立を検討。何が食卓にのぼり、タブーは何だったのか。医食同源思想、飢饉時の対応、アイヌ・琉球の多様な食まで、江戸期の食文化を、列島の空間的広がりのなかで大きく捉えた好著。伊豆諸島を採り上げた「島の食生活」を増補。

感想・レビュー・書評

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  •        -20090430

    江戸期の食文化を、列島の空間的ひろがりのなかで大きく網羅的に捉えた著作。武士から町人.農民まで、何が食卓にのぼり、タブーは何だったか、医食同源思想や飢饉時の対応、アイヌ.琉球の多様な食まで。

  • 振り売りは、貧しい者の生計を立てる方法として理にかなっていた。

    粗食を好む者のほうが却って食物の味わいを知ることができる。もし味わいを得たければ一食抜けばよい。

    日本の近世社会においては、米に聖なる食物としての価値観が著しく収斂し、代わりに肉が穢れた食物として差別に直結するような形で排除されていた。
    山に住む人たちも、山しづ、山がつと呼ばれて、蔑視されていた。

    ジオファジア=土食文化 アイヌにも見られる

    肉食文化が存在するか否かのバロメーターは、内臓をすべて食べつすくすかどうかにかかっている。

  • 江戸時代の食生活について、三都などの町や普通の村から、山村、海村、蝦夷、琉球、そして伊豆まで、幅広く詳細に研究した本。資料にうってつけ。

  • 江戸期を中心に、膨大な文献に基づいて語られる江戸のさまざまなシーンでの食生活を詳述する。獣肉だけをとっても、現代以上に随分とバラエティに富んでいることに驚く。ただ、学術的な価値は認めるが、残念ながら読み物としての面白みには欠ける。

  • 大都市江戸の食べ物商売は,現代の飲食産業にも匹敵するほどの繁盛ぶり.加えて武士の日記にみる食生活,大名の饗宴の献立や,肉食の忌避とその実態,アイヌや琉球の多様な食生活など,食をめぐる江戸の生活文化を,さまざまな文献を紹介しつつ考察する.日本列島の空間的広がりのなかで,近世の食文化を大きく捉えた好著.

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著者プロフィール

一九四九年・栃木県生。明治大学大学院博士課程中退。博士(史学)。現在国士舘大学21世紀アジア学部教授。著書『中世村落の景観と生活』(思文閣出版、一九九九)、『歴史のなかの米と肉』(平凡社、一九九三)、『食をうたう』(岩波書店、二〇〇八)他。

「2016年 『日本人はなぜ、五七五七七の歌を愛してきたのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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