- Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006003920
感想・レビュー・書評
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岩波現代文庫
宮地正人 「 幕末維新変革史 」
黒船来航から大久保利通暗殺までを幕末維新史と捉え、補論として その後の自由民権運動につなげた構成
近代国家=中央集権国家 のイメージと異なり、大政奉還をしても、地方士族や旧幕臣は抑えきれず、西南戦争が終わるまで、中央政府的な統制力はないことがわかる
時系列の政治史とニッチなテーマで構成されており、政治史が大久保利通中心に動いていることはわかりやすいのだが、ニッチなテーマはニッチすぎて、読むのに時間がかかる
ニッチなテーマ
*蘭学者 坪井信良
*竹村(松尾)多勢子
*平田国学者 宮和田又左衛門光胤
*紀州の豪農商
*農民 菅野八郎
*旧幕臣の静岡移住と静岡藩
著者は、日本近代史の説明に、すぐ中央集権国家化という規定を与えることに慎重な立場をとっている
より緩やかな地域連合としての国であり、それをまとめるものとしての天子像
日本的な中央集権国家形成の特質が藩閥官僚制度の成立を必然化する
国威、国権を回復するには
*条約改正により主権国家として確立する
*世界資本主義体制に安定的に編入するため、東アジア外交関係を形成し、国境を確定する
国家そのものを主体性の受け皿として、天皇を価値源泉に、かつ官僚制的に社会を国家に統合
大久保利通はじめ薩摩士一般の論理
「非義の勅命」勅命は普遍的価値がこめられていなければ、奉ずる義務はない
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第3部 討幕への途
第4部 維新史の過程
第5部 自由民権に向けて
著者:宮地正人(1944-、久留米市、日本史) -
東2法経図・6F開架 B1/8-1/392/K