- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022507945
感想・レビュー・書評
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「木村伊兵衛の秋田」という本でブグログ上は登録しているが、実際には私が感想を書こうとしているのは、もっと古い、木村伊兵衛の「秋田」という写真集に対してである。ブグログの「木村伊兵衛の秋田」が2019年の発行であるのに対して、写真集「秋田」は1978年というから、約45年前の発行である。この写真集「秋田」がブグログのデータベース上見当たらなかったので、このような形となった。
本書の「編集後記」によれば、木村伊兵衛が秋田県展の審査員を依頼されて秋田を訪問したのが、昭和27年というから、1952年、今から70年以上前のことである。木村伊兵衛は秋田が気に入ったのであろう、それから何度かに渡って秋田を訪れて写真を撮っている。本書に収載されている写真も、一番古いものが1952年、一番新しいものが1965年、足かけ10年以上に渡っての秋田の写真が収められている。
写真は秋田の農村のものばかりである。ほとんどの写真には複数の人物が映り込んでいる。当時の秋田の農村の人々の生活・活動を記録した写真集だ。
生き生きとした人たちが記録されているが、その中でも私にとって印象的だったのは、「嫁こ」というタイトルの1965年に横手市で撮影された作品だ。今日、嫁入りする娘さんを、近所の人たちが送り出している。笑顔の人たちが多い。写真の手前右側には、小学生であろう3人の少女が食い入るように花嫁をながめている。モノクロの写真であるにも関わらず、花嫁の着物の鮮やかな色合いが想像できる。花嫁とその家族にとってのみならず、近隣に住む人たちにとっても、めったにない目出度い出来事を、皆が祝い、そして、自分たち自身も喜び楽しんでいる。1枚1枚にそのような日常ではあるが、めりはりの利いた生活・活動の写真が収められてて、とても興味深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
p.64の、1952年に湯沢で撮影された
「秋田にて」が素晴らしい。
内面の美しさが伝わってくるおばあちゃんの写真。
p.85「秋田おばこ」はポスターにもよく使用される有名な作品。
三上洋子(旧姓柴田)さんという名前だったかな。
大曲市の大川西根の出身。
「市場にて」もまた好きな作品のひとつ。
1953年に大曲市にて撮影された。
一年の半分は雪に閉ざされている農村では、
生活費を得るために「むしろ」を作っている。
旧正月前の朝市で、
自家製のむしろを売っている主婦を撮影。
美人で黒いマントとビロウドの黄色と
黒のえり巻きの取り合わせが印象的であったのと
額に表れているハの字のしわが、
この人の生活の厳しさを物語っている。 -
図書館本。
いい。理由はわからん、とにかくこの人の写真は
理屈なしに好きだ。