生きる 原発避難民の見つめる未来

  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022509857

作品紹介・あらすじ

わたしたちの人生は続く-記者たちが現場で出会った福島の人々の姿。福島大学・朝日新聞の継続聞き取り調査徹底収録。

感想・レビュー・書評

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  • 2011年6月、10月、翌2012年2月と原発事故で避難を余儀なくされた人々への聞き取りを行い、それをまとめたもの。18名の人々の話と、多数の人々の声が載せられれています。

    とても丁寧に調査されていると思います。
    読んでいて共通に感じるのは、国はいったい何をしているのかということ。自分たちを守ることに必死で、原発の被害を受けた人々のことを考えていないのではないかと。今、福島の方々は有事の下にあるんです。平時ではないんです。それなのに、平時での対応でしか物事を考えようとしていない。最優先に考えるべきは被害を受けた方々なのに、行政側の目線でしか物事を考えられない。

    最後に記者が
    「住民のみなさんが望まれる生活に戻れる、家族みんなで笑うことができる、その日が来るまで、私たちは取材を続けていきたい」
    と締めくくっていた。
    この姿勢が行政側にも求められるのではないでしょうか。


    東電の信じられない対応。
    母子家庭の母親。元の職場から戻ってこないかと言われ、悩んだ末に単身赴任を決めた。子どもは両親宅に。東電の窓口に相談すると、こう言われた。
    「父子家庭なら家賃補助が出ますが、母子家庭で単身赴任するんですか? 交通費なら出ます」 P88


    中学生の娘を持つ父親に「何を一番、望まれますか」
    「元気な声で『いってきまーす!」と言って、学校に行く娘を返してほしい。」
    P106

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