宿神 第二巻

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022510037

作品紹介・あらすじ

「義清様、この地は、古来この日本の大神域にござります。太き龍脈自在に走り、地の滋味もひと際深うござります。宿の神が集うこと、他の地とは比べものになりませぬ-」熊野道最大の難所・妙法山にて、義清は再びあれと出くわした。呼び出していたのは申と鰍であった。やがて都に戻った義清は禁断の一夜を過ごした待賢門院璋子に再会を果たすが、璋子は病んでいた-。義清は鳥羽上皇の御前にて歌を披露したことでその深奥さに魅了され、ついに出家の道を歩み始め西行と名乗る-恋は人をもののけにする。著者渾身の大河伝奇絵巻、怒涛の第二巻。

感想・レビュー・書評

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  • あの御簾の向こうに愛しき方がいる。
    御簾の向こうから自分のことを少しは気にかけてくれているだろうか。
    あの方の心の裡を知りたい…。
    後ろめたさと裏腹に、義清の恋心が乱れ始める。

    シリーズ第二巻。
    義清の切ない恋心はやがて運命をも狂わせていき、出家し西行と名を改めることに。
    今も昔も叶わぬ恋ほど人の心を燃え上がらせ理性を狂わせるものだ。
    やがて訪れるあの方との今生の別れ。
    無数の蛍が乱舞する中、愛しい女性の寝顔を見つめる西行。
    生きる目的を失った西行の、今後の生き方がとても気になる。

    そして
    「この清盛は、おまえのためなら、いつでもこの剣を抜く」
    危なっかしい西行をいつも側で支え、固い友情で結ばれた平清盛との今後の関係も気になる。

  • 義清が叶わない恋に未練を残し出家を選ぶ。煩悩を捨て切れずにいる義清改め西行は待賢門院璋子を常に想う。人は簡単には想いを断ち切る事は出来ず気持ちだけが膨れていく。璋子は西行が訪ねに来ても決して会うことなく西行は密かに会う決心をする。全てを捨てても構わないと眠っている璋子のもとへ行くが何故璋子が自分と会わなかったか真相を知る。

  • 義清は鳥羽上皇の御所の新しい襖10枚に歌を直接書いた時から髪を切り出家して西行と名乗った。待賢門院たま子への思いを歌に託したものであったから。西行と清盛。歴史ではどうであったかは知らないが、陰陽師の時の安倍晴明と源博雅と同じように男二人である。

  • 和歌山、紀の川からスタートしてとても嬉しい巻。宿神について、義清の恋の行方、障子激情の10歌、そして出家。待賢門院璋子逝く。面白さ加速してきた。

  • (図)

  •  清盛と義清の物語かと思っていたら、義清の物語だったことがわかった。
     この巻で西行になる。
     他の人には見えない不思議な物の正体にもかなり迫ってきているなぁと思いました。

  • 佐藤義清が出家して西行となるいきさつを中心に、義清の待賢門院璋子への報われぬ思いを描いている。

    義清の思いは、御所の障子に歌を書きいれた時点で頂点に達し、その有様は鬼気迫るものだった。

    一人の女性をここまで思うことができるということが、義清ならではのことなのか、あるいは、常人に感じ取れないものを見ることのできる者同士の共感ゆえということなのだろうか。

  • どうも、西行というと70歳を過ぎ、花と月をじっと眺めている姿を連想してしまうのですが、あるいは、銀の猫を道端で遊んでいる子供へプイッとくれてしまう姿を想像してしまうのですが、彼だった若い頃があったのだと、当然のことなのだけれど、熱い心と肉を血をもっていたのだと、気づかされました。
    作者の、男二人で酒を酌み交わすシーンは、もうお決まりといってもいいほど絵になるものがあるのですが、陰陽師を彷彿させつつ、北面の武士と元北面の武士のシーンもなかなか良いものです。
    これは、すぐに3巻に進まねば。
    今巻末のシーンはなぜかデジャヴュ感があったのは、自分でもよくわからない。
    これは星5つです。

  • なんか中だるみの巻だったな

  • ついに出家!!

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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