- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022510662
作品紹介・あらすじ
「どうしてそんな懸命に人を応援できるのだろう?」-今どきの若者とは対極にある若者たち。彼らが悩んで得たもの、そして家族が得たかけがえのないもの。本書オリジナル取材で綴られた"親と子"の感動。
感想・レビュー・書評
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「バンカラ」「古クサイ」
…いわゆる応援団のイメージだけど、この本に出てくるのは、そんな固定イメージの枠に全然おさまらない今風の普通の中学生高校生ばかりだった。
まず、この本の冒頭についているカラー写真は、ひとまず見ないで飛ばして、本文から読み始めるほうがいいと思う。
この本に出てくるのは、将棋が好きな、体も小さく表情も小学生と言われてもおかしくないくらいにまだまだ幼いけど、団によって自分のなかに少しづつ今までになかった“強いもの”が芽生えていく中学1年生の高松君。
チア経験はないけど華やかさにあこがれて女子チアリーダーとして入団したものの、経験者に囲まれた自分の立ち位置がわからず悩む時期が続き、失敗しながらもどうあるべきか考え、自分なりに行動した結果、とうとう団の歴史初の女性団長を授かる押田さん。
男女共学化で下級生として入団してきた女子団員への接し方がうまくつかめず、衝突し壁にぶつかるが、上からの押しつけだけでは駄目だと気づき、後輩をいかに育てるかという視点から考えて手探りながら変わっていこうとした結果、組織のなかでの人間関係の作り方が自然と身に着いた高畠君。
人のあとにについて行くような控え目キャラだったけど、厳しい練習や試練を途中であきらめることなく一歩一歩クリアしていくことで、人前で指揮をとる気持ちよさや、力の限りの応援で勝利を呼び込んだ喜びを、いままでに味わったことのない充実感として手に入れることができた岡田君。
ね、どこにでもいる普通の中高生でしょ。
ただ、ちょっと人より多く悩み、ちょっと人よりきつい困難にぶち当り、そしてそれを周りの多くの仲間や親に支えられて乗り越えたっていうだけ。本文に差し込まれたモノクロ写真は、応援団生活が決して楽勝でなかったことを物語っている。
そして最後に、冒頭のカラー写真を見てほしい。
4人の中高生それぞれが、汗と涙を人よりほんの少し多く流したことを、まるで神さまがちゃんと見ていて、ごほうびをくれたかのような、「光輝みつわれ等が 母校明治の名をおいて 若き血に勇める 猛き精鋭」にふさわしい凛々しくかっこいい姿が写し出されているから。
(2013/7/3)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
テレビ放映を毎年観てます。思うのは、団員の方々の成長を毎回感じ、応援団って、世間から疎まれているかもしれないけど、先輩が後輩の面倒をみて、後輩は先輩を立てる素晴らしい組織だなと思います。
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通勤電車で読みましたが、ケースごとにいちいち感動して涙が出てきました。部活の活動期間が、中高一緒に活動するため、6年間かけることが出来るし、先輩が後輩を引っ張って、後輩は先輩を尊敬してついていく、まったく良く出来ている組織だなと思いました。